2021/03/12 12:31:47
(iG2tFdOZ)
俺が妻と羽鳥が関係していると確信した理由は、今から10年以上前に初めて羽鳥なの店に妻に連れて行かれた日に遡る。
妻は付き合いたての頃から学生時代から通っている店があり、一度連れて行きたいと言っていた羽鳥の店に連れて行かれた。
店はバブル期に流行っていた店だ。内装が凝った店で船室を思わせる造りになっている。当時流行ったビリヤード台が店の中央に置かれ、そこそこの大きな店だった。店内は常連客で溢れ、店に入ると妻はアッコちゃん、アッコさんと声を掛けられている。
店内の人間とはほぼ全員と知り合いの様子だった。俺は付き合いたてで妻をアキコちゃんと呼んでいた頃で、正直言ってアッコちゃんと親しげに呼ぶ常連客の方が妻と距離感が近い感じがして、新参者の疎外感を感じる何となく俺には息苦しい店に感じた。
カウンターに座ると、妻は満面の笑みを湛えてカウンター内の日に焼けて肌に白いシャツが似合う中年男に俺を紹介した。
羽鳥さん、この人。こないだ話した彼。中根くん。
羽鳥は俺をすっと眺めてから笑顔を見せ、おーいい感じの人じゃん。良かったなアッコ。と言ってよろしく、羽鳥ですと手を差し伸べてきた。握手をする笑顔の羽鳥に何となく胡散臭さをかんじた。
俺はこの時、言葉では確かにいい感じの人じゃん的な事を言われたのだが、羽鳥の雰囲気や話し方、視線から、コイツなら良いよと言われた気が印象が強く残っていた。
他の常連客がアッコちゃんやアッコさんに対して店のオーナーがアッコと呼びつけにしているのもその後の会話で、いや今でも気になっていた。
長年通っている常連客と歳上で大人の店のオーナー。店の常連客の女ぬ手を出す馬鹿じゃここまで流行ってたり、女性客も多くは無いだろう、逆にそれ以上の関係が無い裏返しの信頼感ゆえの距離の近さだと俺は判断して羽鳥と親しくして来たが、俺は自分の甘さを痛感することになる。