2016/03/13 18:00:22
(meFAi1v7)
第五章
「このご夫婦でいいかい」
博さんは、温泉旅行の宿泊先を決めるかのような気安さで、パソコン画面を指差しました。
あれほど、嫌だったスワッピング。
でも、今はそれを半ば心待ちにしている私。
それを悟られないよう、あくまでパートナーの趣味に強引につき合わされている自分を演じようと硬い表情のままうなずきました。
「よし、じゃあ決まりだ。相手のご夫婦はともに40代で、俺たちと同年代だし、スワッピングがはじめてっていうのも同じ。メールで何回かやりとりしたけど、信用できそうな内容だったから、初めてのお相手としてはこれ以上の人はいないと思う」
博さんが、これほどうれしそうにしているのを見たのはいつ以来でしょう。
「ん、どうしたんだい。」
彼は、パソコンの画面から顔を上げると、隣に立っている私の顔を覗き込みました。
「ねぇ、ほんとに、するの?」
私は彼と視線を合わせることができず、顔を背けて呟きました。
「いや、君がどうしても嫌なら諦めるよ。でも、この前は承諾してくれたろう?」
「そうだけど」
「そりゃあ、不安なのはわかるよ。俺だってそうだ。」
彼はそう言いながら、立ち上がると私の肩を抱き寄せました。
「相手が知り合いだったりしないか、とか、粗暴な人たちで怖い思いをするんじゃないかとか、変な病気をもってたりしないかとか。数え上げたらきりがないくらいだ」
話しながら、彼の手は私のスカートのホックを外しました。衣擦れの音を残してスカートが床に落ちます。
「でも、その辺りは十分慎重に確認しながら、相手を探したつもりだし、もしも途中で嫌になったら、そのときは中断して引き上げてこればいいわけだから、ね?」
耳元に熱い吐息を噴きかけながら彼はささやき続けました。弱いところを攻められて、私は深いため息を漏らしてしまいます。
「これまで体験したことのない世界を味わうんだ。俺は多少のリスクは承知で、そこに足を踏み入れたい。それは君だってそうじゃないのか。ほら、もうこんなに濡れてる」
彼の右手は下着一枚になった私の下半身をまさぐりながら、パンティーの中へ滑り込み茂みの奥の蕾を擦り始めています。
「ああっ」
その刺激だけで、両膝の力が抜けそうになり、両手を彼の肩に回してしがみつきました。
彼の指先は愛液を溢れさせている膣口を数回前後したかと思うと、一気に奥まで侵入してきたのです。
クチュクチュと卑猥な音が私の耳にも届きます。
「ああ、だめ、もうイっちゃいそう。」
「もうイくのか。やっぱりスワッピングを想像して興奮しているんじゃないのか」
掻き回す指を二本に増やして、なおも激しく責め立てられました。
「イく、ああ、イッくーーー」
その場にしゃがみこんでしまった私の目の前に、彼はそそりたつペニスを突き出しました。
「ああ、こんなに大きくなってる。」
私は、大きく息を吸い込みながら、彼の怒張を右手で握りしめました。
「博さんの、すごい固い。私が他の男の人に抱かれるのを想像してこんなになってるの?」
「そうだ、今は君が他の男のチンポを咥える所を想像してる」
「こんな風に?」
彼の男根の根元を握ったまま、はちきれそうになった亀頭部分に唇を被せました。
「ああっ」
彼は私を見下ろしたまま、女の人のような声をあげました。その声で一層興奮がかきたてられたのか、私はこれまでしたこともない位の勢いで唇を前後させ舌をからめました。
口の中で、彼のものが一回り大きくなったのを感じます。
「雪江、もうだめだ、入れるよ」
彼は腰を動かし口からペニスを引き抜くと私を押し倒し、パンティーを一気に引き下げ、そのまま一気に貫いてきました。
「すごい、大きい。博さん、そんなに興奮しているの?」
「ああ、気持ちよすぎて、もうイキそうだ」
「ねぇ、博さん、もし、私が他の男の人に感じちゃっても、嫌いにならない」
「なんだ、そんなこと気にしてたのか」
「だって」
「なるわけないだろ。むしろ、今より、もっと君のことを愛せそうだ。だから、思い切り感じて欲しい」
「ほんとにいいの?」
「いいさ、僕が狂うくらい嫉妬させてくれ。そのかわり、君も僕が他の女性としてるのを見ても、嫌いにならないでくれよ」
「それは、わからない、ああっ」
「そんな、それは困るよ。ああっ、もうイくよ」
「きて、私もイきそう」
「ああああっ」
二人、同時に果てた後、彼の熱く深い吐息を耳元で感じながら天井を見上げ思いました。
「もう、後戻りはできないのかもしれない」