2013/10/05 17:50:09
(eof3Kmz0)
心が揺れて仕方なかった。静かさのせいだろうか。
ついつい自問自答をしてしまう。
興奮はずっと続いていた。それこそ鼓動が早く打つのが当たり前のように感じていた。
なのに、ふっと心配の芽が顔を出し、気持ちがざわつき急に重くなる。
それはある部分では苦痛でもあり、妻が帰るまでは続くのだろうなと感じていた。
シャワーを浴びようと思った。
「ふぅっ」っと強く息を吐き、放り投げていた上着とキャリーをぶら下げ、寝室に上がった。
カバーが掛けられているベッド、いつも通りに出支度していったんだと思った。
服を脱ぎ、キャリーから荷物を出す。クローゼットにしまおうとした時、足元の屑入れに目がとまった。
出かける前に捨てたんだろう。パンストの入っていた袋と値札タグが3つ。。
新しいのを身につけていったんだと私に教えてくれた。普段は気にもしないのにと苦笑した。
シャワー音と肌にあたる感触は、妻の姿を想い起こさせた。
会社で1回、今日2回目のオナニーだった。シャワーをかけて綺麗にした。
いつ帰ってくるかわからない。せっかくいるのに、寝ている時に帰ったきたら...と思ってしまう。
寝てはいられないと思った。
手持ち無沙汰だったが酒は飲まず、ソファで仰向けに寝転んでいた。
【
ここで時代考証的なものを伝えておきたい。
冒頭、「ずいぶん昔の事」としたが、これは90年代始めの頃の事。バブルの時代も末期で、私の転勤も勤務先の拠点拡張による配属だった。
生活面ではPCも携帯もDVDもない(「普及していない」が正確かも)時代。
録画はVHSが主流、人と連絡する手段、情報を得る手段はほぼ固定電話だけ。、居場所が判らない時には連絡しようもなかった。
一人だけのあの夜は相当長く感じた。
30代以上の読み手でなければ理解し難いかもしれないが...。
】
日が変わっっているのに暫くしてから気付いた。
その瞬間、何の根拠もなかったが、やられたなと心で呟いた。
もう、暗いうちは帰ってこないなという気持ちが心を緩めた。瞼が重くなり、少し眠った。
(続きはまた)