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2025/12/07 21:48:05 (ahSycHsa)
俺は警備会社に勤める42歳の独身男。
そう、貴方が今思っている通り警備会社に勤める40過ぎの独身男なんて負け組の代表格みたいな人生だ。

安い給料、劣悪な現場環境。周りの社員も前歯が1.2本抜けた男か、煙草や安酒の匂いが染み込んだ様な異臭のする男しかいない。

俺自身は二流大学を中退してから、特にやりたい事もなく、場当たり的な生き方の果てに今の会社に流れ着いた。

一応は社員扱いだが、この業界の常識なのだそうだがボーナスは無いし、給料も最低だ。
俺を含め低レベル人間の吹き溜まりの様な会社だが、今年の4月から今までとは異なる地方自治体が運営する駐車場の管理義務を引き受ける事になった。

大きな市民公園の地下駐車場。俺は、そこに責任者として行く事になった。口を開けばパチンコかゲーム、アニメの話しか出来ない同僚達にうんざりしていた俺は喜んでひとり赴任した。

夏頃までは人員の募集が上手くいかなかったり、それぞれがまだ不慣れな事から責任者としては常に現場に張り付いている状況で、まともに休みも取れず家にも帰らず休憩室に泊まり込む毎日だった。

だいぶ落ち着いて来た7月のある夕方。俺はこの時期、自宅には未だ戻れない状況だったが仕事の飲み込みの早い何人かのスタッフの勤務時間帯には現場を離れて駐車場の地上にある市民公園のベンチで軽食を取ったりして休憩出来るようになっていた。

公園のベンチに座ってぼんやりしていると、30代と思しき母親と小学校低学年の男の子がキャッチボールをしていた。

最初は彼女のスローイングが女性のそれでは無く良い投げ方をするなと感心していたが、次第に彼女の美しさに魅入られてしまった。

息子に微笑み掛ける優しい笑顔。小柄な身体には若さと活力がみなぎっている。肩までのショートカットの髪の毛、明るい表情を魅せる大きな瞳、健康的な肌、頬の色。

そして何より豊かな胸。ボールを投げるたびに弾けるように胸が揺れた。あの豊かな胸を旦那に夜な夜な揉まれているのだろうか。

あの可愛く肩先で揺れる髪を振り乱して旦那のペニスに突かれるたびに、あの綺麗な顔に苦悶の表情を浮かべて快感に嗚咽の声を漏らすのだろうか。

俺はこのベンチで毎日、夕方彼女を眺めていた。日曜日の事だ。俺がいつもの様に休憩でベンチに座り、コンビニで買った菓子パンと缶コーヒーの昼食を取っていた。自然と俺の視線は親子、いや彼女の姿を探した。

いつもの広場に親子の姿は見当たらない。親子は平日にしか来ないのだろうか。俺は少し落胆して公園の端にある大型のモニターに映る昨年この公園で行われた催し物の映像を眺めていた。

その時である。聞き覚えのある彼女の笑い声が聞こえた。俺は反射的に振り返ると俺の後ろの丘の芝生の上にシートを轢いて彼女と息子、そして旦那が座って寛いで家族で談笑している。

旦那は見たところ俺と歳が変わらない様に見える。彼女の旦那は勝手に若いスポーツマン的なイケメンを想像していたが、実際は彼女より年上の痩せぎすの神経質そうなメガネ男だった。

何故あんな貧相な男と、あんなに魅力的な彼女は結婚したんだろう。あの陰湿な目で、あの貧相な身体が、あの健康的で白く柔らかな若い彼女の身体を抱いているのかと思うと苛立ちが募った。

俺は無性に腹が立って缶コーヒーの空缶をベンチ脇に投げ捨てて職場に戻った。
駐車場の事務所で利用客の状況をモニターで監視していた時だった。

清算口の精算機で何やら手間取っている家族連れが居る。その後ろに何組も清算待ちの列が出来ている。俺は監視をバイトに任せて清算口に走った。

清算機の前で手間取っていた家族は彼女達だった。あの神経質そうな男が甲高い声で彼女を怒鳴っている。お前に渡したぞ!何やってるんだ、早く出せ!どうやら駐車券が見当たらないらしい。

彼女は慌て切っていてトートバッグを床に広げて駐車券を探している。足元の彼女をあの陰湿な男が呆れた様な顔で見下ろし早くしろと叱責していた。

俺は彼女の元に走り寄り、大丈夫です。再発行しますから。一旦列を離れて、後ろの方を清算させて下さい。俺が彼女に告げ、2番目に並んでいた家族を先に清算させると旦那は舌打ちをして明らかに不満だと云う態度を見せた。

すみません。駐車券を再発行するので事務所まで来て頂けますか?と彼女に告げると旦那はまた舌打ちをして、早く行って来いよ。と言う。

彼女は俺に恐縮しきった顔ですみません。よろしくお願いしますと言った。
彼女は泣きそうな顔で、事務所の椅子に所在なさげにちょこんと座り、俺の駐車券再発行作業を待った。

彼女の落ち込みようはひどいものだった。この時に俺の中でドス黒い感情が芽生えた。
あの男は許せない。彼女をあの陰険な男から奪ってやる。

再発行手続きを終えた彼女達家族が北欧製の大型SUVに乗って駐車場を出るのを見送った。
高級そうな車、綺麗な奥さん、可愛い子供。
俺が手にしたくても持てない全てをあの男が持っている。

あの男が憎い。
俺の中に芽生えたドス黒い感情は今や渦を巻いて心の中を支配していた。

次の日。月曜日の夕方、昨日とは打って変わっていつもの様に笑顔で息子とキャッチボールに興じる彼女に声を掛けた。

昨日は大変でしたね。もっと早く気づいてご対応申し上げれば良かったです。申し訳ない。
俺が声を掛けると彼女は振り返って、とんでもない。助かりました。駐車券がどこかいってしまって。

彼女は俺に深々と頭を下げた。俺はこの機を逃がすつもりは無かった。
だけど旦那さん少し厳しい方ですね。もうすっかり奥様が気の毒で。彼女が表情を曇らせる。

ごめんなさい。出過ぎた事を言いました。
ただ少しびっくりしてしまって。俺が言うと彼女は少し泣きそうな顔になって、ええ、本当にごめんなさい。主人が大きな声を出して。

彼女がほんの少し心に隙を見せたのを俺は見逃さなかった。この瞬間から俺のドス黒い感情が暴走し彼女を追い詰めて行った。

〜つづく
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2
投稿者:(無名)
2025/12/08 02:36:04    (oPs8TLUN)
続きが気になります!
3
投稿者:爺さん
2025/12/08 08:57:17    (aGKEewTy)
職業的被害妄想の塊で哀れな男

おれんち近くの警備会社は

社宅・寮付き・月給制でボーナスあり

給料(待遇)も けっこう いいとのことで

なんなら紹介してあげようか?

4
投稿者:(無名)
2025/12/08 10:46:57    (2H2G0uPK)
↑さんの言う通り。完全に妄想話でした。
5
投稿者:(無名)
2025/12/08 14:13:55    (lOsfNIUj)
40代の底辺男の話だが。いやどうして、よっぽど文才に長けていて読みやすく続きの展開も気になる。ぜひ続編を
6
投稿者:(無名)
2025/12/08 17:23:57    (iL6BU9ui)
5.の方に同感です!
たとえ作り話しだろうと、表現力,文章の持って行き方に非凡さを感じました。是非続きをお願いします。
7
投稿者:(無名)
2025/12/08 18:00:50    (HdMLttfH)
文章、お上手です!
ぜひ続きを読みたいです。
8
投稿者:(無名)
2025/12/08 20:45:21    (5m5f9Uqx)
妄想だなんだってわざわざ言うことに何の意味があるんだろうね。所詮はネットの書き込みなんだから、読み物として面白ければそれでいい。続き待ってるよ。
9
投稿者:よしかず
2025/12/08 20:51:59    (ooX4vtKP)
先ずは子供との距離を縮める。
俺は昨日はびっくりしたね。と彼女の息子に声を掛ける。

うん。パパが凄い怒ってて。車でも怖かった。
男の子は素直な瞳で俺にそう答えて少し暗い表情を見せた。

混んでる時間だったからね。後ろに列が出来ちゃったからパパも仕方なく怒ってみせたんだよ。と慰めを言うと

パパはいつも怒ってばっかり。と息子が下を向く。彼女が慌てて、そんな事無いでしょ。こないだ野球連れていってくれたじゃない、楽しかったでしょ?

だってパパ、携帯で電話してて途中で出て行ったじゃん。男の子は拗ねた様子を見せる。
俺は子供に名前を尋ねる。子供はショウタと元気に答えた。

そうかショウタ君って言うのか。キャッチボール上手いね。オジサンも昔、野球やってたから分かるよ。ショウタ君は良い球投げてる。どこかのチームに入ってるの?

うん。〇〇ボーイズに入ってる。少年はキラキラした眼で答える。
そうか。ポジションは?ピッチャーだよ。俺の問いに少年は即答する。

そうか。それは良いね。オジサンが球受けてやるよ、本気で投げてみてよ。俺が返すと本当?やる!遠慮する彼女からグラブを受け取り俺は距離を取って座って彼の球を受けた。

その日は彼にフォークボールの握りを教えたり、彼の投げ方が往年のプロ野球選手の様だと褒めたりした。

彼女も息子の笑顔に気を良くしている。来週の月曜日も投球練習をやろうと息子に言うと、少年は目を輝かせて絶対だよ。約束だよ。4時には来るからねと言う。

母親は恐縮していたが少年が何度も良いでしょ?と言うセリフに休憩の邪魔にならない程度にお付き合いくださいと俺に言って来た。

翌週から毎週月曜日の夕方、親子とキャッチボールする事になった。一カ月程経った頃の日曜日、事務所に彼女の家族が訪れた。

事務所のパート女性が所長、お客様が所長に挨拶したいって来てますがとモニター室に入って来た。何か凄い感じが悪い男ですけど。

俺の計画通りだった。俺が受付に行くとあの神経質そうな眼鏡男が菓子折りを手にして突っ立っていた。

俺の顔を見るなり、あー貴方か。前に駐車券の再発行でお手間掛けた。ショウタ、息子が野球教えて貰ってるそうで。有難う御座います。これ、つまらない物ですが駐車場の皆さんで食べてください。と言って菓子折りの手提げ袋を突き出して来た。

台詞は至って常識的なモノだが態度は明らかに余計な事をしやがって、関わるんじゃないと物語るモノだった。

俺は微笑みながら、そんな、こんな事して貰っては困ります。いや人様の息子さんに余計な真似しちゃって、申し訳ない。ただ私、昔、野球やっててショウタ君が結構いいセンスしてるんで教えるのが楽しくなってしまって。

俺のセリフを遮るように男が被せて喋る。いやショウタにもオジサンの仕事の邪魔しちゃ駄目だと言って聞かせましたので。眼鏡の奥で人を値踏みする様な陰湿な目が光っている。

彼女が取り繕うように休憩のときに時々ですもんね。ショウタがすっかり甘えてしまって、本当にすみません。彼女は旦那の不機嫌を宥める様な物言いだ。

俺はすみませんでした。申し訳ない、ちょっと野球齧ったもんで子供が野球やっているの嬉しくて、最近はサッカーばかりだから。俺が申し訳無さそうに言うと男はいや、止めてくれと言ってる訳じゃないんですよ、ご迷惑を掛けているんじゃないかと心配しただけです。市がやってる駐車場ですから安心してますよ。

男は、それこそ市がやっている駐車場ですから受け取れないと云う俺の言葉を遮り半ば無理やりに菓子折りを置いていった。

帰り際にショウタにはもう迷惑を掛けないよう言ってありますからと俺の家族に近づくなという趣旨の釘を刺して帰っていった。

次の月曜日。夕方、俺の想像を超えた収穫があった。親子が居ない広場を見下ろす俺に声を掛けて来た人が居る。

振り返ると彼女だった。
昨日はごめんなさい。気を悪くされましたよね。うちの主人ちょっと気難しくて。ショウタは野球チームを辞める事になって…今日から毎週月曜日は学習塾に通う事になって…今、塾まで送ってきました。

この日から毎週、塾に息子を送った彼女とベンチに座って色々な話をする様になった。
2回目にはもう彼女の口から旦那の悪口が聞こえてきた。俺はそれを黙って聞いていた。
どうやら第二段階に入った様だと俺は感じていた。

〜つづく
10
投稿者:うどん腰   g5353t
2025/12/08 20:54:38    (2TlKpwgE)
うらやまし
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投稿者:(無名)
2025/12/09 03:55:43    (yuUOlVsN)
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段落が無くなって読み難いです。
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