2022/12/03 10:49:36
(6y9fAcjz)
隣町の駅前で、待ち合わせ。 私は早めに着いたつ
もりでしたが、田中さんはもういらして居ました。
明日男性と逢うしかも二人だけ、という緊張感でよ
く眠れず、今朝は寝坊気味です。
駅から10分ほど歩いた場所にある、ショッピングセ
ンターへ。
「食事は 何がお好きですか」と聞かれ「何でも。
田中さんに お任せします」ご返事。
「そう言われると 難しいねぇ」と。
「ごめんなさい。そういうつもりじゃ・・・・」
「それもそうだよね。 私の方が悪かった」
「いえいえ 田中さんじゃなく・・・・・」
と言った、今思えばたわいのない言葉が行きかいま
した。
食事の最中、私の誉め言葉でいっぱい。
お昼時で、満席の中、隣の席の人に聞こえているん
じゃないかと、心配ばかり。
私も自分の事をお話しし、田中さんも奥さんを10年
程前に亡くされ、お子さんは二人で外へ出ていると
の事。 お互いに、妻と夫を同じ時期に亡くしたと
いう共通点に、私は一歩田中さんに近づいたような
気がしました。
それからは、1ヶ月に一遍の割で、お逢いしていま
した。 5回目の時は、映画へ。 映画などもう何
年振り。 映画館の中では、田中さんに手を握られ
っぱなし。 そして、6回目のデートの時、食事を
終え「ちょっと 付き合って欲しい所が あるんだ
が。 いいかね」「はい 何処へでも」と返事をし
ました。 もう6回もお逢いしていると、大体の事
は想像できます。 駅の反対側に出ます。今までの
雰囲気とは、全然違う場所。
所謂、ラブホ街です。 何時かはと、覚悟はしてい
ました。 田中さんは、何も言わずに私の手を握り
ホテルの中に入っていきます。 私は誰にも見られ
ないように、田中さんの背中に隠れるようにして、
歩きます。 ELVの中で、腰を抱き寄せられます。
思わず、目を閉じてしまいました。
「いいかな こんな所で」
もういいも悪いもありません。
コックリして、お返事を返しました。
田中さんは皆が言うような、悪い人ではありません。
私自身、この人に身を任せてもいいかなと思い始め
たところだったんです。 55歳の独り身の女が、女
を意識し、眠っていた女が目覚めたっていう所で
しょうか。