2020/12/24 22:52:10
(CkgQVQjG)
さてデート当日。
今と違ってLINEはおろか携帯もないから職場で密かに連絡つけながら家の場所なども確認してその日を迎えた。
大人のデートなしとは何度も釘を刺されてはいたけど俺はやる気満々。
彼女は半休を取って準備するとのこと。
仕事柄緊急の残業でよくドタキャンになるのだけど、その日は無事に定時上がり。
食事だけでなくて恭子を頂く気でタクシーで彼女の家へと向かった。
市営団地の愛の巣ヘピンポン。
そしたらなんと同僚の女の子がもう1人いた。
聞いてないよ~(T ^ T)
はっきり言って自分の顔が引きつるのがわかるほどがっかりした。
アリバイ作りに呼んだらしい。
あーあ。さすがに何にも起きないな。
まあしょうがないか。そもそも人の妻だし。
いつもは旦那の座ると言う席に誘導された。
席に着くと
「俺さんの好きだというお酒用意しましたよ。」
私の大好きなバーボンが一本あってびっくり。
そういう話を過去にしたのを覚えて居たみたいでホントに私に気があったということか。
ならまだ可能性はあるのか??まさか3Pとかないよな。俺にはその趣味はないし、その友達はあんまり趣味じゃない。
まあ結局のところ、やる気満々の気持ちは脇に置き、彼女たち2人で作った料理を3人で食べ始めた。
なんとなくチグハグな3人で微妙な空気の中、家電がなった。旦那からだ。
夫婦の会話の後、友達が来てることを伝えて、友達がしゃべりたいと言って電話をかわった。
お邪魔してます。今でいう女子会してますってことを伝えて電話も終わった。
いろいろ料理など準備していたり、家の中が乱れていても言い訳が立つようにホントに友達を呼んだってことか。
女って周到だな。でも3人いたらできないしな。
何度も言うけどその趣味はない。
そういうわけでなんか盛り上がるようで盛り上がらない微妙な空気だった。
2人とも飲んでないし、1人だけ飲むのもつまんないし、それで食事食ったらさっさと帰ろうかと思い始めた。来るまではあんなにやる気満々だったのに。
そうしたら料理も全部終わらないうちに友達がサクッと立って今から帰ると。
流石にあとで何言われるか分からないし、そこに残れないので一緒に出ようと立ち上がるも2人して俺を引き止めにかかる。
「今日は俺さんのために用意したのでゆっくりして行って」と恭子。
「お邪魔だから先帰るね、変なことしたらダメですよ」
意味深な目つきで言う。先に帰れば変なことできるやんから、なに訳のわからないこと言うのか?
「変なことってなんだよ」
とは返したものの、そのつもりでした、とも言えず。
しかし、私に帰る暇を与えず、友達はさっさと帰っていった。
そして・・・
うーん。どうしようかホントに考えた。
悩みつつ、とりあえず飲んでからだと、酔ってしまうことにした。
あらかた料理を食べ終わり、満腹になったところで彼女は言った。
「デザートにケーキあるから」
このタイミングしかない。彼女に少し近づいて横に座った。
「ケーキの前に。恭子を食べたい。いや恭子というメインディッシュ食べてない」
さっと手を握り、彼女の目を見つめた。
困ったような潤んだ瞳。
拒否はしてない。