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2010/12/26 18:04:38
(4g15kzik)
好きでもない課長と関係をもったのは、私にも何らかの打算があったのかもし
れません。でも、あの時は、身体が何かにけしかけられているようでした。
その時、私の心のすき間を見透かしたように、課長が入り込んで来ました。
なぜ、好きでもない人を、ろくに抵抗もせずに受け容れてしまったのか、私は
軽率でした。
でも今の私には止めようがないのです。
好きでもないあの人を拒めない自分が恐ろしい、急坂を転げ落ちています。
ホテルから出るたびに、あまりに濃密なひとときと、寒風に我に帰ったときの
落差に驚き、後ろめたく、後悔で胸がつぶれます。
私を逃さないように、夫にしっかり抱いていて欲しくて、激しく夫を求めるよ
うになりました。
夫は、歓喜の後の落涙の意味を糺すことなく、やさしく舌で目頭を、頬を、ぬ
ぐってくれます。
それが嬉しいがゆえに、悲しくて、切なくて、暗闇の中でひとり肩を震わせる
毎夜なのです。
頭の中でこだましています、「私をしっかり掴まえていて!私を離さない
で!」。
にも拘らず、一方では、好きでもなかったあの人が、急に大切な存在になり
つゝある、この邪悪な心。
仕事中のあの人の一挙手一投足を全身で追っている自分に気づき、途方に暮れ
るのです。