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2003/06/21 06:56:49
(yzgeGb/O)
あんな軽率なこと言わなければよかった。
私は追い詰められていた。今期のわが部の営業成績がワースト10に
入ってしまったら私は窓際に追いやられてしまうつらい立場だったのだ。
私は部下たちに発破をかけるためによく家に招いた。
私の妻は私をよく支えてくれた。反省会が午前3時4時になってもいやな顔
ひとつも見せずに部下たちの接待をしてくれたものだ。
私の秘書であった私よりも15歳若い34歳の妻は社内でも指折りの
高嶺の花だった。私と同じ歳の先妻を交通事故で亡くし、仕事が山積みだった
私は3人の子供たちの面倒をみることが出来ずに途方にくれていたが
そんな私を支えてくれたのがこの妻である。秘書としても家庭の事でも
とてもよくがんばってくれ、次第に男と女の仲になって現在に至った
わけである。そんな妻に私はひどいことをしてしまった。
みんながんばってくれてはいるのだがこの不景気で成績が思うように
伸びてくれず万策尽くして次に打つ手のなかった私は、つい部下たちに
言ってしまったのである。部下たちを家に呼んだときの彼らの妻を
見る目が、女を見る欲望に満ちた目であることには前から気付いていた。
ここでみんなに踏ん張ってもらわなければ今までの苦労はすべて水泡に
帰してしまう。ダメでもともとと思い、課せられたノルマをクリアしてくれた
者には妻を好きにさせてやってもいい。一人か、良くて二人がクリアして
くれれば万万歳だと思っていた。二人くらいならば平身低頭謝り倒せば
こんなバカな取引を無しにできるとたかをくくっていた。
しかし、なんと!19人全員がノルマをクリアしてしまったのだ。
おかげで成績はトップで私は役付きに昇進できる運びとなったのである。
だが、19人を説得しきる事は到底不可能であった。私は彼らに恥も
外聞もかなぐり捨てて泣きついた。欲望に燃え盛る彼らには何を言っても
無駄であった。妻に事の子細を話した。妻は絶句してしまったが、
あなたが約束した事ならと泣きながら引き受けてくれた。
私はいたたまれずに3週間休暇を取って一人旅に出た。その間に部下たちに
事に及んでくれということだった。この3週間、私にとっては3年くらいの
時間に思えた。一秒がこんなに重く長く感じられたことはなかった。
何という事をしてしまったのだ。後悔してもしきれず慙愧に耐えることは
なかった。もちろん一人ずつ、一回きりの約束であったのだが、その約束は
守られる事はなかった。最初の3人までは一人ずつであったらしいが、
その次からは2人、3人と増えてゆき、最後のほうでは19人全員が妻を
弄んだということだった。毎回朝まで眠る事も許されず体中に彼らの
放出を受けていたという。現在妻は彼らなしでは生きていけなくなって
しまっている。妻の名誉のために言うが、彼女にはなんら責任はない。
女の体というものは、望むと望まざるにかかわらず、受けてしまった
過度の性的加虐は精神に異常をきたすまで行かない限り染み付いて
取れないものなのである。妻の場合、肉体の要求に応えることによって、
精神崩壊の淵に己を突き落としてしまうという楽な道を拒むことのできる
人並み外れた精神力をもっているだけのことである。
悪いのはすべてこの私である。せめてもの救いは妻がこの状況を
楽しむ余裕が出てきたことだ。
今日も妻は部下に抱かれている。