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2003/06/13 14:20:25
(4Uk806Fm)
さあ、いっしょにいこう。
妻はためらった。しかし、その抵抗も快感の渦の中に
妻の人格ごといとも簡単に引きずり込まれてしまった。
そう、それでいいんだよ。
声にならない声を漏らしながら切な気に一瞬こちらを伺う妻。
私は静かな微笑とは裏腹な焦燥を辛うじて心に存在する理性の重みで
押さえつけながらゆっくりと、とてもゆっくりとうなずく。
そこで妻と私のつながりは途切れ妻は妻の中の宇宙を独り彷徨う。
もはや妻は人間ではなく一匹の女という動物になってしまった。
なぜだ?
私が自ら望んだことなのに・・・。
私は誤った選択をしてしまったのだろうか?
私の事はさておき、妻はおそらくこれが自分の望んでいたものであろうことは
彼女の姿態を見れば明らかである。
二人の関係をもっと濃密にするための遊びだったはずが
二人の絆を断ち切らんとしているなんて・・・。
そんなばかな・・・。
どうしたらいいのか、もう私には決める事はできない。
ただ、時の流れ行く方向に身を委ねるだけの生活など何の意味も
ないではないか。
スワップパーティーに参加し失敗した哀れな男の末路であった。