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2025/08/24 23:07:02
(nI7YsCSG)
この話は看護師である私の妻と、退院した会長と呼ばれていた患者との不倫を、全て問いただした物語です
「明日、退院ですね。退院祝いに誘っていただけるなんて光栄です」
「お前には本当に助けられた。秘密のデートだ、行き先はお楽しみさ」
――翌夕、車は市街地を抜け、人気のないラブホテル街の一角に停まった。
「こんな場所…お話するだけとはいえ、緊張します」
「大丈夫だよ。お前の声をゆっくり聞かせてもらおう」
――薄暗い廊下を抜け、間接照明に照らされた小さなソファーとベッドの愛し合う二人のために作られた小部屋へと入った。
「まずはバスローブに着替えてリラックスしてほしい。そしてベッドに横になってくれ」
「話だけの約束でしたよね…?」
「もちろん。ただしデートって言っただろ。その姿勢の方が楽しく会話が出来て良いだろう?」
――バスローブ姿で横たわった妻の上に、バスローブを着た会長は跨がり、帯をゆっくりと解いた。布が落ちると、男の背中や胸、腕を覆う刺青が浮かび上がる。
妻(心の声)「まるで生き物のように広がる龍の影…病院で見ていた時よりこの角度から見上げると威圧感が凄いわ」
「ゆっくり落ち着きなさい。さあいくらでも聞かせてもらうよ」
「…わかりました…」
「まずは、このバスローブを解かせてもらうよ?」
「え…話だけのはずですが…」
「安心しなさい。お前の素直なありのままの姿を見たいだけなんだ」
――妻はバスローブの帯を無言で解かれると、そっと前をはだけさせられ、裸の状態で仰向けに横たわる。
「お前のその一瞬の息遣いまで、俺には全部わかるんだよ。お前の戸惑いも、期待もな」
「会長…そんなふうに言われると、胸が高鳴ります」
「お前の表情が俺の胸を温めてくれる、本当に美しい。仰向けの顔、横顔、目元の柔らかさ、細い首筋、笑顔の色香…俺にとってはすべてが特別だ」
「あなたの言葉に包まれて、私には夫がいますが、罪悪感よりも安心感が勝ってしまいます」
「おお、お前の身体は魅惑的だ…七十歳の俺には眩し過ぎるほどに…」
「会長…あなたの優しい言葉が胸に沁みます」
「傷つけるつもりはない。お前のすべてを讃えさせてくれ、たっぷりと味わいながらね」
――静かな時間の中で、言葉は喘ぎ以上となり、身体の奥深くで繋がった温もりを時間を忘れて交わす二人。歳を取った猛獣は何度も休憩しては妻を貪ることを止めなかった。
「会長、私は今夜限りではなく…本当にこれからも何も失わないでしょうか」
「お前が望む限り何も失わないよ」
――会長は静かに頷き、沈黙の中で互いの鼓動をその後も感じ合い続けた。
――夜が深まった後、ベッドの縁で寄り添う妻が会長を気遣う。
「会長…あなたは十分に満足されましたか?」
「…満足だよ。お前が傍にいてくれただけで」
「でも、私はあなたが七十歳であることが心配で…充分に感じていただいたのかなって…」
「年齢なんて、今夜の温もりには関係ない。お前と過ごしたこの夜が、俺の心に深く刻まれただけだ」
「会長…私はあなたと過ごして、その温もりで、自分に自信を持てました」
「良かったな。お前のイキ顔は、俺の長い人生で見た中でも一番美しかったよ」
――しかし、ふいに会長の口元が冷たく引き締まる。
「さて、話は十分だ。帰ろうか」
「えっ…もうですか?私はもっと…」
「お前の喘ぎ声は十分に聞かせてもらった。これ以上は望まない」
「えっ…急に冷めたわけではないですよね?」
「満たされたんだ。君を見送り、またいつもの日常に帰りたいだけさ」
――妻は戸惑いながら荷物を抱え、静かに部屋を出た。
――郊外のホテルの駐車場に吹く風が妻のセミロングの髪を揺らす中、二人の足音だけが静かに響いていた。
――車を降りて、待ち合わせた公園で自分の車に乗り換えて数分走ったあと、妻は街灯のほのかな光が差し込む歩道の脇で車を停め、小さなジップポーチをバッグから取り出した。
妻はそっとファスナーを開き、先ほどホテルでゴミ箱から気付かれないように拾い出したテイッシュに包んだコンドームを見つけ出す。
妻(心の声)「……ちゃんと使われたままね、形も無事みたい」
薄いラテックスのゴムを指先でそっとつまみ、裂け目や穴がないか念入りに確かめる。次に、中身の重みを確認しようと軽く握りしめると、ゴムが膨らみ、内部に溜まった温かい液体の存在をはっきりと感じ取った。
妻(心の声)「これは…ちゃんと出されている。やっぱり彼は中でイッて満足してくれたんだ。一緒にイッてくれたんだわ!」
ほっと息をつき、安心感とともに胸がじんわりと温かくなった。会長の満足の証を確かめたことで、自分の存在意義がまた一つ深まったような気がした。
妻はテイッシュに包んだゴムを元の袋 に戻し、ポーチのファスナーを閉じると、静かにバッグへ仕舞い込んだ。そして家に帰って、かなり遅くなりバツが悪かったが、寝た振りをした夫の寝顔を確認し、いつものように急患対応で連絡も出来ないまま遅くなったと良いわけをすれば良いと安堵して、シャワーを浴びに浴室に行った。
しかし、待ち構えていた私は、妻が持ち帰った男の精子を発見して浴室に向かい、その後何日もかけて全てのことを聞き出したのです。
事実を全て話したと思えたので、私は1度きりの過ちと不倫を許し、今も妻を愛しているのです。