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2005/06/24 00:16:55
(X5eQfYWV)
浮気なんてする人、信じられない。貴方が好き。いつものようにして。
僕の妻はいつも僕に甘えてきて、僕を夢中にさせてくれます。
料理が上手くて、やりくり上手で、綺麗で、そして妖艶で、高卒の地方公務員の
僕にはもったいない妻です。ハイヒールの踵を道路のタイル張りに挟んで困って
いる彼女を助けてあげたのが縁でした。赤いハイヒールがスラッと伸びた脚に
とてもよく似合っていました。彼女は家族も身寄りも無く、僕も施設で育って独り
者、そんな境遇がお互いを引き寄せあったのだと思います。
彼女は友達が多く、よくコンサートや観劇に誘われて出かけていきます。僕は余り
興味がなく、またお酒も飲めないので、妻のお付き合いはお友達に任せています。
あと、妻はガラス玉とか宝石のイミテーションを集めるのが趣味です。
僕の安月給では本物は買ってあげられませんので、何か当て擦られているみたい
で、妻に、こんな趣味やめてくれないか、と意見したことがあります。
妻は、ニコニコ笑いながら、小さいときから集めるのが好きなの、ほら、見て。
と言って、キラキラ輝くイミテーションを僕に見せました。
それを見ていると、こんなことで妻を困らせるなんて、と反省しました。
ちょうど、宝石箱が妻の趣味で一杯になるころ、妻が、事故で亡くなりました。
コンサートの帰りに、お友達と別れた後だったのでしょう、一人で歩いていた妻が
暴漢に襲われて、刺されてしまったのでした。犯人は分からず仕舞です。
妻の葬式は寂しいものでした。お友達に連絡したのですが、殆どは本人に連絡が
取れず、連絡がついても、事件に関わりたくないのか、葬式には誰も列席しません
でした。
妻が亡くなって1ヶ月が過ぎ、妻の遺品を整理して、私は宝石箱一杯のイミテーシ
ョンは思い切って処分することにしました。結構よくできた代物ですから高く売れ
るのではと思い、宝石店に持っていきました。
そして、それらは、一つ残らず、全て、本物でした。