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2026/01/18 10:20:14
(Bwk80T8c)
この話は俺と紗夜との実際の生活スタイルであるが、あくまで第三者視線の小説として書いていきたい。
武尊(42)と紗夜(34)は10年前も今も同じ会社で勤めている。10年前、二人は会社の飲み会の場で互いの身の上を話す機会があり、「一人暮らしって思ってたより楽じゃないよな」と意見が一致する。
二人の意見とは「家賃、光熱費、通信費、その他」の負担が大きいということであった。そこで合理主義者の武尊と紗夜は流行りのルームシェアを思いつく。「もし二人で共同生活をしたら?」をシュミレーションすると、年間どれだけの家賃が浮き、年間、互いにどれだけ貯蓄できるかを考えたところ、「数字(金銭)のためには共同生活をする方が合理的。という判断に至る。
そして二人は一人暮らしをしていた住居を引き払い、二人でマンションへと引っ越したのであった。
二人にとっての共通の空間は、リビング、ベランダ、トイレ、風呂、玄関だけであった。それぞれ武尊の部屋、紗夜の部屋と決められているが互いに干渉し合うことはない(鍵もつけていない)
冷蔵庫には武尊専用の棚、紗夜専用の棚で仕切られており、専用の棚以外の部分に物を置く時は油性マジックで名前を書くというルールが決めらていた。賞味期限切れの食べ物は無断で捨てるが文句は言わないというルールもあった。
洗濯機(ベランダ)使えるのは月水金は武尊。火木土は紗夜。日曜は臨機応変というルールであった。ゴミ捨てはたけるが率先してやったが、その分、トイレ掃除は紗夜が率先してやっていた。それ以外の部分はなるべく私物を出さないように気をつけていたのでベランダには今でもプライベートな物品は置いていない。また玄関の靴箱も冷蔵庫と同様の使い方である。
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武尊と紗夜は基本的には同じ時間に目を覚ます。理由は同じ会社なので同じ時間に家を出るからだ。朝、二人とも6:50分くらいに起きてきては、まず初めに紗夜がシャワー。武尊が自分の分の朝食をとる。そして約束の20分が経過すれば今度は武尊がシャワー、紗夜が朝食といった分担である。脱衣所には二人の衣類を入れるカゴが置いてあり、同棲し始めた頃は毎日のように武尊も紗夜の使用済み下着を物色していたが、もういつでも入手可能なためむしろ飽きてしまっている。
シャワー、朝食が終わると紗夜は自室にメイクをするために入り、武尊はリビングでテレビを見ている。そして二人は電車通勤をしないのである。それは会社から定期代をもらってはいるが、二人は共同で購入した車で通勤をし、会社近くの終日500円の駐車場に停めている方が経済的に得をするからだ。またガソリン代を筆頭にその他の料金も二人で共通のクレジットカートから自動引き落としされており、よほどの単独での使いすぎさえない限りは折半である。(武尊が友人と旅行で遠方に行く時などは余分に共同口座に超過分を支払う形式)
会社に行くと武尊と紗夜は同じコールセンター部門の仕事を始める。正直、コールセンター部門では給料は心許ないが、二人が共同生活をしているから手取りで30万も必要ないのである。そして土日祝日は休みで17時ぴったりに帰ることができる。これも二人の合理性だからこそのスタイルであろう。
仕事が終われば二人はスーパーに立ち寄り、その日の買い物をする。買うものはサラダかお惣菜。家では基本的には米とインスタント味噌汁とお茶くらいしか作らない。その方が調理の手間は省けるし、冷蔵庫に余計な物を入れなくて済むからだ。
家に帰ってからは自分の部屋で食事をするか、あるいは二人で同じテレビ番組など見る時はリビングで食事を取ったりもする。そんな生活が3年くらい続いたところ・・。
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やはり住所が同じということで会社には当然「同棲関係」というのがバレる。そして自然と両親をはじめ、周囲からは「交際関係」だと思われる。となると両親からは挨拶しにきなさい、いつ結婚するのか?とせかされはじめたのだ。
結局、武尊と紗夜は結婚生活ですらも合理性の有無で判断し、二人は挙式も上げず結婚指輪も無しで、単に役所に届け出を出すだけの婚姻関係となった。それに至るまでの互いの両親への挨拶も演技、会社の上司に対する結婚報告も全て演技であった。二人にこれといった恋愛感情はない。あるのは同居人としての信頼と信用だけである。
そして同居5年目に二人の運命を大きく帰る試練が訪れたのである。
それは紗夜が仕事中に原因不明の眩暈で倒れたことが全ての始まりであった。診断は紗夜の低血圧による意識の喪失。そして一時的に脳に血流が流れなくなり、脳卒中と似たような状態となり、脳細胞のいくつかが破壊されてしまったのであった。
紗夜は症状が出てからすぐに救急車に運ばれ、迅速な治療が行われたので大きな後遺症を煩うことはなかったが、入院生活と、紗夜の右半分の片麻痺は長期に及んだ。もちろん、この騒動の中で武尊は「配偶者」として紗夜の生活を支援する立場に立たされていうのである。