2009/12/26 15:54:35
(IOqC93nh)
痺れるような感覚を覚えながら、私は人の視線が気になった、Aさんも妻も今の雰囲気に陶酔したかの様に、身体を寄せ合いホールに立ち尽くしている。
「凄く立派になってらっしゃる!」
淫靡な表情を浮かべ小声で言う。
曲が終わると私達は身体を離し壁際に立った、浴衣の前の膨らみが治まるまで、その場を離れられなかった。
漸く席に戻ると妻が
「奥さんと何を話してたの?随分と長かったじゃない‥それに踊っている時も凄く雰囲気が良さそうだったし」冗談ぽく笑いながら言う、それに相槌を打つようにAさんも冷やかしの言葉を投げ掛けてくる。
「あら!気が付いてたの‥ご主人と二人だけで楽しい話をしてたのよ‥ねぇ、ご主人」
奥さんは笑いながら答える。
暫くして妻と奥さんが席を立ちトイレに行った。
「いやぁ、素晴らしい奥さんですねぇ、ご主人が羨ましいです」
突然Aさんが切り出した、私も同じようにAさんの奥さんを誉め契った。
妻達がトイレに行っている間に話は、在らぬ方向に進む。
興味深く秘かな興奮を覚えながらも躊躇う内に二人が戻って来る。「私の方から話を切り出したますから!じゃ、そう言う事で」
Aさんは小声で言うと二人を大袈裟な素振りで迎える。
「あらあら!二人で愉しそうに、何か善からぬ事でも企んで居たのかしら」
奥さんが陽気に言う。「あはは‥ばれたかぁ、いや!今夜は本当に愉しいし、このまま眠ってしまうのは勿体無いって話してたんだよ」
Aさんは妻のグラスを取り水割りを作り差し出す。
「あら!あなた私には作って貰え無いの?」奥さんは悪戯っぽい表情を浮かべ言う。
「あっ、そうだった!お前のは、ご主人に作って貰いなさい、ほら、ご主人の隣に席を移って!替わりに奥さんはこちらに」
言葉巧みにAさんは妻達を移動させる。
踊りの後の水割りは妻達を更に酔わせたみたいで、少しずつ妻達も大胆になって行った。Aさんの手が浴衣の上から妻の腿に触れて行く、妻は私の方をチラッと見ながらもAさんの手を退けようとはしない。
「あ~!私、もう酔っぱらって動けないかも」
奥さんは背凭れに身体を預け次第に私の方に凭れて来る。
視線を合わさない素振りながらも妻は時々、私達の方を見て来る。私が妻の方を見た時にAさんの手は妻の浴衣の中に隠れようとしていた。
「もう駄目、目が回りそう‥ご主人、お部屋まで連れて行ってぇ」奥さんが甘える様に言う。