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2009/09/30 12:31:04
(KiX7NiOM)
私の会社の駅は県の中心都市の大きいオフィス街のある駅からひと駅離れた
ところだ。
駅を挟んで、会社と反対側には寂れた歓楽街と数件の小さなホテル街があ
る。土地勘のある人なら、
「ホテルのある駅」とすぐに思うだろう。待合せにした時点でピンと感じる
人もいると思う。
なおみと待合せたのは、夕方5時、その駅前のファミレスだった。彼女は既に
席に座り私を待っていた。
その容姿は彼女にしては少し余所行きといった上品なグレーのスーツ姿で化粧
も少ししていた。
私はできるだけ期待せぬように振舞いながらの事務的な挨拶。彼女は
「すみません、呼び出したりして。」と言いながら、
「お時間大丈夫ですか?」とこちらを気遣う仕草。少し仕事の話をした後、
突然、彼女が小声で
「この前のお話なんですが・・・。変ですよね?」と彼女。
変じゃないですよ、他人に言えない性癖はあって当然かもしれないですよ。
旦那さんはおかしくないですよ。
とだけ告げると、
「いいえ、私が・・・」と彼女が言う。
「実は、旦那はこのところ殆どダメなんです。だから、その・・・つま
り・・・交わることは無いんです。」
と小声で俯きながら話した。私にしては意外な事実だった。周りは他の客で
騒がしいので顔を近づけながら会話を続けた。
「だから旦那は私のために道具とか、つまりおもちゃとか使うようになっ
て・・・。」と赤裸々に話す。
「私は気持ちいいんですけど、エスカレートしちゃって・・・」と顔を赤ら
める彼女。
「つまりは感じちゃうんでしょ?」私の問いかけに彼女は頷くだけで、
「でも、最近では痛いだけでもの足りない、まだお互いに若いですもの
ね?」と私は話を手っ取り早く進めた。
「それなら、ひとりで慰めることもあるんでしょ?」とかも聞いてみた。
否定もせず、恥ずかしさの頂点なのか暫く沈黙の後、
「私にできることは?」と尋ねた。私の覚悟は当然決まっていた。
「・・・話を聞いてくれるだけでいいんです。それだけで」とポツリと彼
女。
「ホントに?」私は矛盾を感じながら少しガッカリして、テーブルを見る
と、お互いにアイスコーヒーを飲み干している。
「じゃ、帰りましょうか?」と私が言い、二人して店を出て、駅までの路地
を通った。
「旦那さんに愛されてるんですよ、奥さんは。ウチなんて子供の世話だけ
で、全くないですからね。」とボヤキながら、少し後ろを歩くなおみを見
た。
「だから、僕自身溜まっちゃって、溜まっちゃって。」と続けて冗談っぽく
言った。
「今日も二人で会うってことで、実は僕の勝手な妄想なんですが、少し期待
してました。だから、その期待に裏切られたような気持ちで残念です。ホン
トに僕の勝手なんですけどね、」と率直に言うと、
「私にですか?こんな私に?」と考える彼女。
「でも、やっぱり旦那や奥様を裏切るようなことは・・・。」と訴えるよう
な眼差しで、私に迫ってきた。
「あくまでも僕だけの願望です。今夜のことは二人だけの秘密にしたらいい
かななんて。」と私が彼女の肩に触れ、夕刻の暗い路地で確認するかのよう
に顔を寄せ軽くキスをする仕草をした。
「いいんですか?本当に?」彼女の問いかけにこちらから唇を奪うと、強引
に舌を入れディープキスをした。
私の勃起したものに彼女の左手を這わせたら、彼女の願うように手の平が前
後した。私も彼女の股間に中指を当て、
「僕と同じではじめから、そのつもりだったでしょ?」と問いかけた。
私は会社の近くと言うことを思い出し、彼女の手を引いて足早に線路の反対
側のホテルに向かった。