「お義姉さん、出来たわ、、」
と、嬉しく私の所へやって来る夫の弟の嫁。
私が7年前に嫁いだのは80年以上も続く老舗旅館で、義妹は2年後に夫の弟と結婚した。
なかなか子供が授からず特に1年前から義母は、「跡継ぎはまだ、」と言われていた。
一応私を立てて若女将を拝命してはいるが、義妹の子供が出来たら義妹が若女将になってしまう。
しかも義妹の後ろからは義母と夫の妹も来ていて私を睨んでいる。
「お義姉さん、私妊娠したの。だから今日からは私が若女将だから、、子供も作れない嫁は邪魔だからここから出て行って、、」
大きな声で言われ、義母も夫の妹も同じように私を睨んでいる。
しかし、義母の言葉でその場が一変した。
「○○さん(義妹)、あなたその子は本当に息子の子供?」
「何を言っているんですか、お義母さん、、」
「義妹は驚いたようにうろたえていた。」
「あなた、番頭の○○と出来ているわよね。」
そう言われると私にも気が付いたことがあった。
たまに義妹と番頭さんが布団部屋から出てきたり、空いている部屋から出てきたりしているのを見たことがあった。
その時は布団の点検とお客様が来る前の部屋の点検と言っていた。
「そんなこと、、ないですわ、、」
「だったら、産んでDNAで調べるわ。息子の子だったら若女将にしてあげます。もし違ったら、、」
「もちろん出て行ってもらうわよね、子供と一緒に、、ねえ、お母さん。」
義母も妹も凛とした顔で言っている。
義妹はがっくりと倒れこんでいた。
「あなたはこの家から出て行きなさい、今だったらあなたのご両親にも言わないで息子と別れさせてあげるから、、
子供はあなたがどうにかしなさい。産んでもいいし堕ろしてもいいし、、」
そう言われると義妹は走り出して部屋を出て行った。
そのあと妹も部屋を出て行き、義母だけになった。
「あなたはまだ子供が出来ないの。」
「はい、努力はしているんですが、、」
「いいわ、息子には少し出張として営業に行ってもらうから。その間のうちの人と居れる時間も作ってあげるから、、
子作りに励みなさい。他人の子供を宿すより血筋の子供を産んでほしいの。」
そう言って義母は部屋を出て行った。
私は義母の後姿を見ながら正座をし畳に着くまで頭を下げた。
夫の父親とは2年前から関係を持っていて、まさか義母が知っていたなんて、、