先に書いていた美咲の旦那が、九月頃に帰国する事がほぼ決まったようだ。
取り敢えずは帰国までの約束だし、成り行きに任せようと思っているところに新たな出会いがあった。
流行のクールビズを避けながらシャツを探しに入った老舗のショップに真美がいた。
白の胸元が大きく開いたシャツに黒のタイトミニで、爽やかに接客し見送っている。
引き締まったふくらはぎから丸い尻へ綺麗なラインを描き、控え目な高さのヒールで立つ姿は美しかった。
彼女は僕に近付き、
『夏物をお探しですか?』
と笑顔で声を掛けた。
『まぁ…今日は見るだけですけど。』
そう答えると、仕事は?デスクワークが多い?など質問し始める。
普段は面倒に思うが、時折波長が合う人がいる。真美もその一人で、話に乗ってしまった。
テーブルにスーツやシャツ、ネクタイを並べコーデする真美の胸元が軽く覗ける。白い肌の豊かな膨らみが作る谷間が眩しかった。
会話の中で同年代とわかると、
『私も同じです。当時の流行でしたね。』
と服の拘りなどに親近感を表してきた。
僕はつい名刺を取り出し、よかったら食事でも、とアドレスを書いて渡した。
彼女もビジネス用の名刺をくれたが、僕は期待せずにシャツだけ購入し店を出た。
数日後、見知らぬアドレスからメールが入った。
『○○の××(苗字)です。いかがお過ごしですか?~』
真美からだった。
仕事の合間に軽くやり取りする日々が続き、金曜日に休みが取れたから食事に行きましょう、と彼女から誘ってきた。
待ち合わせの店に着くと、やはり品のある雰囲気の、しかし今夜は赤いパンプスで大人の女を装った真美が待っていた。