私はビデオのモニターをのぞきながら醒めた気持ちで黙っていた。
(俺の目の前で気をやりやがった)
ふたりは放心したようにぐったりとしていたが、後始末をしながら
「これでふたりの事は認めてもらえるんでしょ?」妻が信じられないこと
を私に言った。
「俺が許してやってもいいって言ったのはそいつと別れてまともな主婦を続けるならっていう話だ。二人の仲を認めるなんて一言もいってないぞ。」
私は妻の身勝手に情けなくなり、開き直ったような態度に腹が立った。
妻が男に騙されているのかと思い許すつもりだったが、もうそのつもりも
無くなった。私は妻を男に寝取られた間抜けな夫のプライドを保つだけの
ためにふたりをとことん地獄に追い込むことに決めた。
もう妻には愛情も無くなり愛想がつきた。
服を着けた男に言った。「ところであんたの娘は処女かい?」
男は私の言葉の意味がわからないようだった。
「いやぁ、処女だったらこんなビデオ見たらびっくりすると思ってな。」「娘にみせるんですか?やめてください。勘弁してください、
お願いします。」
妻までが「あなた、そんなひどいことしないで」と男の側についていた。
「おまえら、熱演してたじゃないか。おまえも俺の目の前でイキやがって。しかも生でやってたな、いつも生だったのか?なめやがって。
そいつの娘だけじゃないぞ。おまえの親父もこんなもん見たら発作でも
起こして死ぬかもな。そうなったらどうすんだ?」「・・・!」
妻は信じられないという目でわたしを見た。
「おなた普通じゃないわよ、わたしの父だってこの人の子供だって
関係ないじゃない。」
「おまえらが俺を甘く見てた罰だよ。関係は大ありだよ。俺はおまえの夫というだけでこんな状況になったんだよ。おまえたちの家族にも少しは同じ思いを味わってもらうからな。」 つづく