2年前、俺は事故でこの世を去った。
ラブホテルから彼女と出てきたところを車に引かれ即死だった。
今俺は自宅の仏壇の中にいる。
妻は葬儀の時こそ泣いてくれたが、今は多額の保険金で悠々と息子と暮らしている。
相手の車からの保険金、生命保険金、私が亡くなったことで家のローンも払わなくて済み、そのおかげだろうか49日までの週命日、その後は月命日まで坊主を呼んで拝んでくれている。
しかし、49日を過ぎたあたりから妻の様子が変わってきた。
一つは息子との関係。
妻41歳。私と同じ歳である。
息子18歳。今年高校を卒業して大学に行く。
49日の法要が終わり身内も坊主も帰ると、仏壇の前に座っていた妻の所へ息子がやってきて、「母さん、、」と言って妻の肩を抱くのです。
「雅人ごめんね。ほったらかしにして。やっと49日も終わったしこれから雅人と二人きり。大学の合格祝いのお母さんを抱く約束も今夜できるわ。今までは手と口だけで抜いてあげていたけど49日を過ぎた今夜からは母さんの体と使っていいのよ。」
「母さん、ありがとう。最後まで父さんの浮気癖は治らなかってね。」
「雅人知っていたの。」
「ああ、、残業だからって帰らないときや出張と言って他の女と旅行に行っていたんだろ。母さん、寂しくて寝室で泣いていたね。」
「あなた、覗いていたの。」
「覗いたりしないよ。部屋の前を通るとうーうーと母さんの泣き声が聞こえたんだ。」
「、、、あれは、、、でもありがとう。」
「これからは俺が母さんに寂しい思いをさせないからね。」
息子はそう言って妻と向かい合うと抱きしめてキスをしたのです。
「雅人。お父さんが見ているわ。」
「いいよ。お母さんをほったらかしにした罰だ。」
「ダメ、ここじゃ。早くお風呂に入って部屋で待っていて。お母さんもあと片付けをしてお風呂に入って雅人の部屋へ行くわ。」
「ほんと、今晩はずっといてくれるんだよね。」
「当り前じゃない。お父さんが亡くなってずっと雅人をほったらかしにして、お祝いもできなかったから今夜はずっと雅人と一緒よ。」
「母さん、、、」
「でも約束して私たちは実の親子なんだから他の人の知れたらいけないの。それに毎日はダメ。そうね、雅人くらいの年頃なら毎日でもいいんでしょうが週に2日と決めておきましょ。」
「ほんと。週に2回もお母さんを抱けるの。僕嬉しいよ。」
(何言っているんだこの二人わ。お前たちは血の繋がった親子なんだぞ。)
俺は怒りで仏壇を揺らしてやったが今の俺には何の力もなかった。
「週に2回じゃないわ。週に2日よ。1日で何回でもお母さんを抱いていいのよ。」
「母さん、、、そんなに、じゃおれお風呂に入って部屋で待っているね。母さんも早く着て。それと、一つだけお願いがあるんだ。」
「何?」
「できたら黒い下着を着て来てくれないかな。ちらっと見た母さんに下着姿が良かったから。」
「まあ、でもそれくらいならいいわよ。」
「ほんと、お母さんありがとう。」
そう言って息子の雅人はお風呂に行った。
妻はもう一度私に手を合わせ仏壇の扉を閉めた。
俺は仏壇の中からしか二人を見れない。
でも、その夜は一晩中、息子の部屋から妻の喘ぎ声が聞こえていた。
続く、、