酔った勢いと言っていた。本当であれ、嘘であれ、そんなことは
どうでもよかった。事実、妻は、妻のアソコは、知らない男たちの
欲望で満たされ、こちらに歩いてくるだけでわかるほどの匂いを
発していた。許せるはずがなかった。子供はいるが、どうでもよかった。
ただ吐き気を覚え、一刻も早くこの場から立ち去りたかった。
沸々と沸いてくる怒りをなんとか制しながら俺は言った。
「気持ちよかったのか?それでいいのか?」
妻は何も答えなかった。いや、答えられる筈もなかった。
連絡もなしに2日間家を空けて、子供は実家に預け、学校を休ませてまで
した計画的犯行だった。俺が出張に出て一週間帰らないのをいいことに。
さてと、どうしてやろうか。地べたに座り込んで怯えきった妻はさっきから
ずっとちらちらと上目遣いでこちらを伺っているが、まるで目を合わそうとは
しない。相手の目星は粗方ついているが、複数ということらしかったから
すべては特定できない。俺の拳法で木っ端微塵粉に蹴散らしてしまうか、
それとも、大人の解決方法をとるか。悩みどころだった。まぁ、運動不足と
いうこともあったので、半分は俺の拳法の餌食にしてやろう。残りの
半分は、カネカネ金をもぎ取ってやろうじゃないか。俺の眼がキラリと
輝いた、と同時に、俺の上半身の着衣が吹き飛んで、胸に刻まれたクロスの
傷が黒い炎を吐いた。妻の恐怖心は最高潮に達したが、もとより、妻を
傷つけるつもりなどなかった。ガクガクと震えている妻を尻目に
俺は常人では考えも及ばないようなみごとな跳躍をこれみよがしに
見せつけた。さぁ、狩りがはじまったぜ! つづく