最初の結婚は俺26歳、妻23歳、二年後に一女を儲け、夫婦として10年暮らしたが、リーマンショックの煽りで、俺が無職になり、妻と娘を実家に返却した。
俺35歳、妻32歳だった。
「いい男がいたら、再婚していいからな。俺のことは忘れろ。じゃあな。幸せになれよ。娘を頼む。さよなら。」
「元気でね…」
妻はさよならと言わなかった。
俺は、とりあえず上京して、大学時代を過ごした街に落ち着いた。
同業に就き、資格勉強をしてスキルアップを目指しながら、細々と養育費を振り込んでた。
別れて間もなく一年という頃、凄い揺れに襲われた。
東日本大震災、俺は現場にいたから、とりあえず現場を整理して、近くの体育館へ身を寄せた。
会社からショートメールが来て、自宅で待機せよとのことだった。
そこで、紺野美沙子に似た奇麗なおばさんと知り合いになって、聞けば住まいがご近所で、意を決して二人で歩いて帰ることになった。
彼女は俺より15歳年上の51歳でバツイチだったが、見た目は40歳くらいに見えて、
「51歳には見えませんよ。お奇麗ですねえ。」
と言ったら、とても親密になった。
暫くすると、別れた妻から安否を尋ねるメールがたくさん来たから、東京にいて無事だと送った。
メルアドを交換して、落ち着いた頃に会った。
お互い友だちもいない身で、休日、一緒に過ごすようになった。
そして、二人で呑んでると、男と女として意識するようになった。
部屋飲みしてるとき、そっと、腰に腕を回すと、しなだれかかってきたら抱き寄せて、唇を重ねた。
スカートの中に手を忍ばせ、パンツの上からワレメを撫でると、ジンワリと濡れていた。
パンツを脱がせると、元人妻のドドメ色のマンコがヌメッた。
おれも下を脱いで、生のまま挿し込んだ。
「ああ…まだ、不純だけどあるから、中には…ああ、ああ、硬い…」
紺野美沙子に似た清楚な美熟女が、淫らに喘いだ。
お互い汗ばんできて、上も脱いで素っ裸で交わった。
スレンダーな四肢、やや貧乳な乳房、まだ崩れのない女体を味わった。
「離婚以来、8年ぶり…まさか、再び男性に抱かれる日が来るなんて…」
そう言いながら、恥じらうことなく15歳年下のチンポを味わっていた。
俺は、お腹に射精した。
彼女は、週末になると俺の部屋にやってきて、土曜日は泊った。
土曜の午前中、平日に溜まった性欲をぶつけ合い、ランチに出かけ、帰ってきたら一緒に風呂に入って、一緒に飯食って、寝る前にもう一発ハメた。
日曜の朝も一発決めて、二度寝、ランチを食いに出て、午後、彼女の部屋でハメて、夕方帰ってきた。
19歳も年齢差があるのに、次第に二人は惹かれていった。
でも、再婚の二文字はなく、色々話の中で出てきた話を総合すると、彼女は、定年退職したら、息子夫婦が暮らす藤沢に行くそうだ。
彼女は53歳で完全に閉経、俺たちは、彼女が定年退職するまで、一緒に暮らすことにした。
「一緒に暮らすけど、再婚する気があるなら、定年前でも同棲を解消するからね。」
と言われたけど、俺たちは仲睦まじく、一緒に暮らした。
毎晩閉経マンコに精液を注いだ。
ドドメ色だったマンビラも、毎晩のハードなセックスに黒ずんでいった。
15歳も年上の五十路おばさんだったが、彼女は本当に奇麗だった。
有限の付き合いだったけど、本気で愛した。
紙切れ一枚出してないだけで、夫婦生活だった。
2018年、来年還暦を迎える彼女は、
「故郷に残してきた娘さんと元奥さん、気にならないの?」
「もう、8年前に赤の他人になってるし、今頃は俺じゃない人をお父さんって呼んでるさ。」
「そんな…気にならないわけないじゃない。娘さん、幾つになってるの?」
「えーと…中3だな…」
「受験生じゃない。一度、連絡入れて見た方がいいわよ。それで、新しいお父さんが面倒見てるんなら、それはそれで安心でしょ。」
彼女に言われて、別れた妻にメールを入れてみた。
震災以来、7年ぶりのメールは、娘の進路を心配してのメールだった。
暫くすると、別れた妻から電話がかかってきた。
「ご無沙汰してます。養育費、頑張って入れてくれてありがとうございます。あの子、高校受験に向けて頑張ってます。いつか、パパに会ったときに恥ずかしくないようにするんだって言って…」
胸を抉られた。
「あなた…戻っては来れないの?」
「お前、再婚してないのか?」
「してない…年頃の娘がいるのに、赤の他人の男性とは暮らせないから…」
俺には想定していない視点が、母親にはあるんだなと思った。
「あなたはまだ一人なの?」
「ああ、再婚はしていない。」
「戻ってきて…」
電話の向こうで涙声で言われた。
「仕事もあるし、はいそうですかとは言えないよ。暫く、考えさせてほしい…」
俺は、もう忘れられていると思っていたが、俺の帰りを待っている人が二人いると知って、複雑な心境だった。
彼女にそのことを話したら、
「帰ってあげて。私はひとりで大丈夫だから。」
「いや、俺も仕事を放り投げて帰るわけにもいかないし、向こうで仕事を見つけなきゃだし、すぐには無理だよ。」
「それはそうだけど…準備はしましょう。そして来年度末、二人で一緒にこの部屋のドアを閉めましょう。あなたは故郷へ、私は藤沢へ、そこを目標にしましょう。」
俺は時間を見て、何度か密かに帰郷して、ハロワに通った。
別れた妻の実家を遠くから眺めたが、どうやら実家には元義兄家族と元義父母が住んでて、別れた妻子は独立して暮らしているようで、その姿はなかった。
故郷は何も変わっちゃいなかった。
変わったのは俺だけだった。
震災の時だってそう、東京より故郷の方が揺れが強かっただろうに、俺から心配するメールを打たなかった。
俺は、故郷と別れた家族を捨てていたけど、別れた家族はそうじゃなかったことに、あの時気付けなかった。