今日、元夫のところに行ってきましたが、会わずに遠くから眺めました。
あなたと一緒にお庭にいる方は、新しい奥様でしょうか。
お久しぶりです。
別れて3年、あなたと暮らした時間に並びましたね。
私は、本当はその家であなたと共に人生を歩みたかったです。
でも、私にも大切な仕事があったから、転勤を拒むわけにはいきませんでした。
「なんでお前の方が単身赴任なんだよ。そんな転勤断れよ。子供がいるわけじゃなし・・・」
おっしゃることは分かりましたし、そのとおりだとも思います。
子供がいるわけじゃなし・・・だったら別れましょうと、離婚してあなたの元を離れました。
夫婦最後の夜、今も覚えています。
一緒にお風呂に入り、身体を洗いっこ、なぜか可笑しくなって、笑い合いましたね。
最後の営み、あなたにしてもらう最後のクンニリングス、とても気持ち良かったです。
愛を感じるクンニリングスに吐息を漏らし、これが最後なんだと感慨深く喘ぎました。
そして、最後のフェラチオ、このおチンチンともお別れかと、お口の中でその感触を確かめながら、愛情込めて舐めました。
最後の交合、あなたが入ってきたとき、その温かさ、その気持ち良さを脳裏に刻みました。
私の中で往復する段差の快感、時々奥に触れてきたということは、私の子宮口が下りてきたこと、そろそろ来る・・・快感の高まりを感じました。
意識が遠のく中、私の喘ぎ声と、愛液が奏でる淫音が寝室に響きました。
私の名を呼び、そして重なる唇、絡まる舌先、愛してる・・・でも、これが最後・・・涙が目尻から流れているのが分かりました。
あなたが抜いて、私に熱い精液がかけられている感覚、これも最後・・・最後のセックスが終わったんだと実感しました。
翌朝、出て行く私がスーツケースを引いて玄関へ、
「たった3年だったけど、お世話になりました。」
「お前、頑張れよ。離婚してまで転勤するんだ、後悔のないようにな。」
「ええ、ありがとう。あなた、元気でね。さよなら・・・」
「ああ、さよなら。元気でな。」
最後のお別れのキス、たしか1分くらいしてましたね。
だって、唇が離れたら、お別れですもんね。
私は転勤先で、頑張りました。
転勤して2年目に、あtらしい彼氏が出来て、公私ともに順調だったけど、ロシアのウクライナ侵攻が私の会社の業績を直撃、長引く情勢不安に状況は悪化するばかりでした。
そしてついに私は、リストラされてしまいました。
離婚までしてこの地にやってきた私は、落ち込みました。
そして、新しい彼氏のプロポーズを受けました。
新しい彼氏は地方公務員、引っ越しを伴う転勤はありません。
彼は真面目が取り柄の人で、女性に疎く、私より7歳年上の37歳ですが、昨年、初めて抱かれた時、もしかしたら童貞だったかもと思いました。
私、彼と再婚するにあたって、一目あなたに会って、再婚の報告をしようと思いました。
心配しているあなたに、もう、心配しなくていいよって、言おうと思いました。
でもあなたには、仲睦まじく一緒にお庭のお手入れをする女性がいました。
どう見ても新しい奥様でしょう。
この3年間、いつもあなたのことを考えていました。
どうしてるかな、ちゃんと食べてるかな、お酒飲み過ぎていないかな、幸せになっているかなって、あなたの幸せを祈っていました。
でも、その心配はなさそうですね。
どうか、お幸せにお暮らし下さい。
お姿だけ拝見して、帰ります・・・
リストラされて、あなたと別れなければ良かったと思ったこともありました。
あなたのことだから、私の勤め先が大変な窮地に陥ってる情報は入手していたと思います。
私からのSOS、もしそれがあっても、あなたは新しいご家庭を築いていたから、心を鬼にして毅然とその事実を私に伝えたことでしょう。
私は、あなたにだけは絶対にSOSを出してはいけないと、心に銘じて生きてきました。
大丈夫、私は昔あなたが望んだ、専業主婦になります。
あなた・・・奥様と手に手を取って家に入っていきました。
3年前は、私の居場所だったところに、今は違う幸せが育ちそうですね。
あなたの背中、縁側の戸が閉じられ、見えなくなりました。
私があなたの背中を遠くから見送った事は、墓場に持っていきます。
さよなら、あなた・・・
どうか、お元気で・・・