俺(35)は、確かにアル中だった。
酒を飲んで暴力を振るうとかではない。饒舌になってウットオシイ男になるとかでもない。
なんせ・・・。酒を飲まないと、趣味ひとつ出来ない男だった時期があった。
今の嫁と結婚したのが10年前、そして結婚して娘が生まれた結婚2年目くらいから、俺は日常的に飲酒するのが習慣となった。
いい年こいて、、と思うかもしれないが、ゲームしながら酒。料理作りながら酒。ネットしながら酒。テレビみながら酒。昔のツレと話しながら酒。子供と遊びながら酒。嫁とベッドの上で関わりをもつのにも酒が必要だった。
日常的にある、どんな事をするにも「酒」がないと楽しくないし、やる気が起きない状態になっていった。
そんなことから、たまには酒を飲まない日もあったが、とにかく無気力。酒を飲まないと一日中、ボーー・・・として何もしない一日を過ごしていた。
こんな生活が8年続いた。
この8年で酒に使った費用はどれくらいだっただろう。より酒を楽しく飲むのに、買ってきた刺身、焼き鳥、ビーフジャーキー、スナック菓子、それらの費用はどれくらいになっただろう。
そもそも、酒を飲み、そして酒が切れたら泥のように眠った無駄な時間はいか程になっただろう。
だが、今は断酒して半年が経過した。
たった半年といえど、断酒できたのは「意外な嫁のアイデア」があったからこそ、成功しているといっても過言ではない。それを、、今からお話しようと思っている。
まず初めに、俺はゲームをするのが趣味なので、嫁のイメージを芸能人よりゲームキャラで例えたほうがわかりやすいので、嫁をこう例えたいと思う。
嫁は戦国無双の「綾御前」っていうキャラにそっくり(笑)性格はふつうの真面目でおとなしい人(綾御前もそれに近いが・・)身長や外見はそっくりな人だと思ってくれたらいい。
そうだな。。。嫁のことを嫁、嫁というのも慣れてないので、それこそこの機会に綾とでも言いましょうか。
酒を飲む習慣が完全に沁みついている俺と、嫁の綾がちょっとした議論になったことがあった。いや、この議論は俺が酒を飲み始めた8年前から断酒するまでずっと続いていた。
綾の主張
①なぜそこまで習慣的に酒を飲む必要があるのか?
②家計のことを考えているのか?
③子供に対して、その姿をいつまで見せるつもりなのか?
俺の主張
①酒を飲んでいても、仕事はちゃんとしている
②酒をのんで殴ったり暴れたりしているわけではない
③健康診断でも、これといって危険な数値が出ている訳でもない
こんな感じで俺と綾との間には考え方には大きな違いがあった。当然のことだ。
ただ俺には、今思えば心の中に隠されたストレス、いや不満のようなものを持っていたと思う。
それはこの時の俺は、とにかく他人の嫁を見てうらやましいと思っている部分を持っていた。
その不満が一体何かだったのか、その不満が満たされた今ならハッキリと答えることができる。
それは綾との夫婦関係にあったんだ。
綾は外見や性格が、戦国無双の綾御前に似ているといった通り、、エロとかはっちゃけたりするのとは程遠い女だった。あるいみどこにでもいるというか、逆にどこにでもいないというか、普通・・・・の真面目な女。
ぶっちゃけて言えば、フェラもしてくれない女だった。(何度か頼んでみたが、どうも生理的に無理)とか答えられた事もあった。
SEXの時も変わったプレイは一切なし。軽くキス(しない場合がほとんど)して、軽くぺちゃぱい揉んで、、軽く下を触った後にはすぐ挿入。
そして入れても感じているような(こっちが嬉しくなるような)声も出さないし、積極的に腰を振ってきたりとか、、そういうのもない女だった。
結局、そんな女だから俺は不満が積もりに積もっていたんだと思う。街中を歩くほかの夫婦を見て、(この奥さん、すっごい旦那さんにエロい事してくれそうだな。。。)とか、そんな妄想を抱きながら生活をしていた、、もしかしたら俺の習慣的な飲酒はこういった不満を紛らわすものだったのかもしれないと今ではそう感じる。
話を戻すと、俺が断酒へと踏み切ったきっかけとなった、最後の綾との大議論があった。あるいみ夫婦ケンカといったほうがいい。
綾は相変わらず、先ほどの①から③の主張をしていたが、その時、酒に酔っていた俺はとうとう綾本人に言ってしまったんだ。何が不満で酒を飲んでいるのか!という先ほど書いた理由のすべてを。
俺「お前はフェラ一つしないだろうが!それで男が満足するとでも思ってんのか!俺がなにをするにもいやだー、無理-ばかり言いやがって!」
・・・と。
それを聞いた綾は泣き出した。というか泣くほか無かったんだろうと思う。そしてこの返事は俺にとっても意外だったが・・・。
綾「わかった。そういう理由とは思わなかった。じゃ、私も私で努力するから、トモ(俺のこと)もちゃんと努力してよ」
という具合に話が思いもよらない方向へと進んでいったんだ。
そして・・・結論ついた新しいルール。
①俺がいつ、どこで、どんな時でもフェラしてくれ。といえばする。
②基本、SEXの時に「いやだ~~」という姿勢を見せない。
この②について少し解説を加えると、綾はSEXシーンの時にフェラだけでなく、俺が何かしようとすると、すぐに無理、いやだ。という癖をもっていた。
例えば、綾が嫌がる行為を並べてみればディープキス。これも嫌がった。(自然としなくなったが)そして次には、パンツをはいた状態でのクリ攻め(汚れるから。という理由で嫌がった)しつこいクンニ(理由は不明だが、これも嫌がった)射精時、腹意外の場所にかけられる事(男なら顔射。。までとは言わなくてもフィニッシュの時にいちいち命令してくんな。「変なとこかけないでね」とか。
総合的に言えば、とにかくSEXの時に俺に制限をかけてくる、ちくいち文句を言ってくるのがそれまでの綾だったんだ。
ところが、この断酒前の最終議論の時、①と②の提案は、俺のほうからではなく意外なことに綾のほうから言ってきたんだ。
だから、、俺にも酒を飲むのを我慢してくれ。という交換条件だったんだと思う。
兎にも角にも、、それから今までとは一風かわった夫婦仲が始まった瞬間でもあったのだが。。。