自分の妻を、姉さんと呼ぶのはおかしい、そう思うかもしれませんが、これには理由があります。
まず第一に姉さん女房だからですが、私と妻の年齢差、11です。
もう一つ、私が小さい頃から、理穂姉さんと呼んでいたからです。
妻は、私の母のかなり遠い親戚にあたります。
そのため私は、理穂姉さんと呼んでいました。
それが今でも続いていて、妻は私をかっちんと呼びます。
言い遅れましたが妻理穂姉さん38才、私27才、結婚して五年です。
美人で胸がデカくて頭良くて、私は理穂姉さんに恋心を抱いていました。
地元国立大を卒業し、地元の信用金庫に就職した理穂姉さんは24で結婚、結婚の話しを聞いたとき、中学生だった私は泣きました。
しかし私が高校卒業し、就職が決まったあたりに、なんと理穂姉さん、離婚となりました。
人の不幸な出来事を喜ぶ、不謹慎な私でした。
離婚したばかり、美人な理穂姉さんのこと、次の男が寄り付く前に、なんとかしようと私は懸命でした。
私は事あるごとに、理穂姉さんを誘いました。
ドライブ、映画、イベント、祭り、食事など。
都合がつく限り、理穂姉さんは私に付き合ってくれましたが、それ以上に進めないでいました。
私が20才になったとき、理穂姉さんは私を飲みに誘ってくれました。
理穂姉さんから誘われたのは初めてでした。
飲んでるときに、ほろ酔いの理穂姉さんに言われました。
『小さい頃から、ず~っと私のこと、思ってくれてたんでしょ?離婚して戻ってきたのが嬉しいんでしょ?』
まだ飲み馴れないビールを数杯口にしていたせいか、俺ははっきり言えました。
『理穂姉さんが大好きでたまらない。多分10年くらい前から大好きだった』
『子供だと思っていたのが知らないうちに大人になって。素直に嬉しい』
そう言って笑ってくれました。
『その気持ちを理穂姉さんにどう伝えていいか、わからなかった』
そう私が言うと、理穂姉さんはさらに笑って答えました。
『言葉も大切かもしれないけど、かっちんの態度でよくわかっていたから』
私はもう一度言いました。
『理穂姉さん大好きです』
すると理穂姉さんは返してくれました。
『私もよ。かっちん』
私は理穂姉さんのマンションに誘われました。
何のために私をマンションに連れてきたか、わかってました。