久しぶりに42歳になった姉とサシ飲み。
姉とは子供の頃から仲が良く、何でも話してきた。お互いの恋人の悩みや軽くセックスの話まで。
だからキワドイ冗談も言い合える女友達みたいなもの。
ただ当然ながら、異性として意識したことは一度もなかった。
お互いに呑むのが好きで、姉が結婚してからも半年に一回程度呑みに行ってた。
昼前から飲み出し、中学生になる姉の子供が帰ってくる夕方くらいまでの時間まで。
今回はなかなか都合がつかず約一年ぶりだった。
お互いビールが大好き。ジョッキ5杯目を空にしたタイミングで俺の最近の恋愛事情を聞いてきた。
「アンタさ、例の年下彼女はどうなのよ?そろそろ結婚も考えなよ」と。
俺は勤め先の8つ年下の後輩と付き合ってる。もう4年目で俺38、彼女30。
彼女は可愛いタイプで性格も良くお金にもしっかりしていて、俺なんかにはもったいないくらい良くできた女性だった。
不満があるとすればただ一つ、俺との性癖が合わないところ。
この体験談に書き込みしてるように、そう、俺は寝取られ性癖の持ち主なんだ。
だが彼女はどちらかと言うと性の経験も少なく真面目なタイプ。以前何回かダメ元で、寝取られを匂わしたりしたことがあった。
ラブホで寝取られAVを流してみたり、知り合いにその手の性癖の友人がいるとか回りくどく。反応を確かめたかった。
彼女の反応は予想通りだが、かなり拒否反応が強く、それ以来、俺は彼女に対し寝取られを期待するのは諦めた。
でもやはり、性癖はどうにもならないもので、ダメと思えば思うほど欲望が強くなってくる。
暇さえあればナンネやら他の関連サイトを漁る始末だ。
前置きが長くなってしまったが、そんなこんなで彼女との将来を考えることがはばかられた。
「うーん…」と煮え切らない俺に剛を煮やした姉が追い討ちをかけてきた。
「何か結婚できないような事情でもあんの?」
姉はおそらく、とくに深く考えもせずそう聞いてきたようだった。
姉とは初体験の思い出話やら毎月のセックスの平均回数とか、踏み込んだエロネタでも話してきたが、寝取られ性癖については教えてなかった。笑われて変態あつかいされるのが目に見えてたし。
ただ今回ばかりは、彼女のことは実際にこの性癖が足かせになっていたし、姉にカミングアウトしようか迷った。
「なになにセックスが合わないとか?」
そこに姉がドストレートで助け舟を出してきたw
「うん…まあそんなところ」と口を濁す俺。
すると姉は若干目を輝かせ、そのボトルネックとなっている性癖について聞き出そうとしてきた。悪い姉だわ人ごとかよ!
俺は酔いも手伝ってどうでも良くなり、とうとうカミングアウトしちまった。
しかし姉の反応は予想していたものと裏腹で、興味津々に食いついてきた。
今までの彼女で寝取られ経験はあるのか、どんなシチュエーションなのか、相手はどんな人なのか、場所はどこでするのか、そして寝取られた感想まで根掘り葉掘り。
俺は全て正直に話した。
「ふーん、まあ性癖て仕方ないもんだろうけど、寝取られ性癖は私も絶対無理だわ。ダンナにお願いされたら離婚もの」
やっぱそうなりますよねと頷く俺。
「でもさ、そのハプバーとかカップル喫茶ってどんな人が来てるの?なんか部屋とか不衛生そうだし病気とかチョー怖い」
輪をかけて悪ノリ風に問いただしてきた姉にイラッとした俺は、黙らせる目的でこんなこと言っちまった。
なんなら今から覗きに行ってみる?と。
すると姉は
「えーーーっ!ヤダヤダ!むりむり」
とは言うも、おちゃらけた感じでそこまで嫌悪感を持っていないようだった。
俺はイタズラ心が芽生え、もうひと推ししてみた。今までの彼女たちを納得させてきた話術で。
最初はみな社会見学のノリで来ていて、エロどころか服も脱がず無料の酒を飲んでるとか、部屋は意外にオシャレなBAR風で綺麗とか、一見普通の人ばかりだし、女性の安心や安全、そして権利を守ることが暗黙の了解になっていて、無理強いやましてや傷つけられることはないなど。
極めつけは、こんな平日の昼間だとお客は他にいないことが多く、下手したらマスターと3人でワイワイ飲むことになるよと。
これらは俺が行きつけていたハプバーのことで全て事実だった。
ちなみに飲んでた店から数百メートルだ。
姉は少し悩んだすえ、7杯目のジョッキを呑み切るとこう言った。
「よし!今から行くよ!」