単身先に戻った私は、仕事始めになるまで部屋で
妄想に更ける日を過ごしました。
面と向かっては行動に移す決定的な言葉も言えないのでした。
妄想の中や計画の中では色々な言葉が思いつきました。
単身先に戻る前に、嫁には「誰かを一緒に誘って飲みに行けば。」
とは言ってみたものの何も進展が無いまま気付けば1月も終わり
2月になっていました。私の車に新しく取り付けたドラレコですが
定期的に動画確認しましたが、怪しい行動も感じられませんでした。
嫁とは毎日夜に少しの連絡はとっていました。
そんな日を過ごすだけの日々でしたが、話は急に舞い降りてきました。
いつものように帰宅し一人晩酌をしている時でした。
その日の会話は、嫁からのラインから始まりました。
初めはいつもと変わらないラインでの会話のやり取りでした。
すると突然でしたが嫁から「それで、話が他にあるの。」からでした。
「話って?」
「源さんの事。」
「源さんがどうしたんだ?」
「あれから一度、皆で行くならいいよ。って返事だけしておいた
けど、今日ラインがあったの。」
「何って?」
「今週末、誰か誘ってでもいいから飲みに行かないか?って。」
「返事をしたのか?」
「まだしていない。」
「真美はどうしたい?」
「私は、どっちでもいいけど誰か誘うと言っても急だし。」
「一人で行ってあげたら喜ぶかもな。サプライズだな。」
私の頭の中で、悪魔の声が囁き出していました。
「一人で行くの?どうしようか?」
「真美から聞く限り、変な人じゃないんだろ?前に仕事していた時から
知っている人だろうし、一回位は行ってあげれば。
それにたまには少し外に出てこいよ。単身赴任で一人に
させたままで、家に居ても暇だろ?」
「この生活にも慣れたけど暇と言えば暇かな。」
「答えが決まったらまた連絡をくれ。」
その日は、ここまでの会話で終了しました。