この話の前置きは長い。だけど、自信を持って楽しんでもらえれる内容であるとの自負もある。
なぜなら、この体験をした筆者は真実を述べているのと同時に、通常に生きていたらまず体験しないであろう内容を赤裸々に綴ったものだからである。
なーんて重厚な出だしで描いてみたが、それでは俺のキャラに似合わない。描きやすいようにざっくばらんに描いていくし、なるべく時系列でテンポよく描いていくので付き合ってもらえたらと思う。
<<俺たち夫婦>>
当時、俺の年齢32歳。家内、いや元妻も俺と同じ32歳であった。子供はいない。
妻とは高校の時の同級生で25歳の頃に再会し、それから俺の強い押しで付き合って交際1年半を経て結婚したのだった。
俺の仕事は三交代制の工場勤務で中間管理職をやっている。もちろん正社員。会社がかなりブラック寄りということもあって月収だけは元妻より勝っていた。しかし看護師をやっている元妻にはボーナスを入れての年収は負けていたといったところか。
結婚生活七年目、俺はあくまで俺は順調な結婚生活だと思っていた。なんせ子供がいなかった為、入ってくる収入は全て自分たちのために使えたし、夫婦合わせての月収となるとそれなりに羽振りのいい生活をしていたと思う。
その生活が崩れ始めたのは、「嫁の浮気疑惑」からだった。
<<謎のシミ>>
ある日のことだった。嫁が「今度看護師仲間と別の医療機器メーカーの人らの間で接待があるんだよねー」等といってきたのである。俺は「接待って言っても、それいわゆるコンパだろ?w」なんてセリフを返したのを覚えている。
その日の夜のことだ。夜の24時頃に帰ってきた嫁が完全にノックアウト状態であり、家に帰って来れたのがやっとのこと。と言うくらいまで酒を飲んでいたことと・・・。
家の玄関で嫁を介抱した時に気がついたのだが、靴を脱がせる際、嫁のロングスカートの中はノーパンで、脱いだパンツはハンドバッグの中に丸められていたのだった。さらにその黒いパンツにはまだ乾燥していない白いマン汁のような液体状のものがベッチャリ付いていたのである。
この行動に明らかに不審さを感じた俺は、翌朝、嫁に「なぜパンツを脱いでいたのか」を問いただしたが、嫁は「そんなの聞かないでよ笑 ちょっとオシッコ間に合わなかったっぽいから履き直すの気持ち悪かっただけだって笑」と反論されたのである。
パンツにオシッコが付いていたか・・までは記憶にはない。だけど、あれだけ酒を飲んでいたらそう言うこともあるのかも・・しれない。
だが、今まで浮気癖なんて持ってそうなタイプでもなかったし、考えても仕方ないのでそれ以上は追求しないようにした。
そして、その頃からだった。嫁とヤル日が激減していった。それまでは最低でも週1くらいでヤっていたし、俺は嫁で十分すぎるほど満足していた。容姿も全く悪くないしSEXの相性も全く問題なかった。結婚生活の7年間で男が妄想するHプレイには嫁も大体の事には付き合ってくれた。
そんな問題のない関係も、あのコンパ以来激減して行ったのだ・・・。また詳しくは後述するが、この段階でチエミは、コンパで知り合った、ある有能なこれから司法予備試験を受けようとしている青年と知り合ったとも言っていた。(本当はここでこの重要人物の詳細を書きたいが、この時俺はこの人物について何も知らない。ここでこの人物のことを書いてしまうと時系列が崩れるので後に回す)
(そりゃ7年間も結婚生活してたら、ヤラなくなる日くらいあるだろうw)そう思っていたし、さほど問題とはしていなかった。が・・・。
<<大喧嘩>>
コンパから2ヶ月近くが経過したあの日、忘れもしない4月6日。俺と嫁は大喧嘩をした。喧嘩の理由は大したことではない。だが、俺はその時は酔っ払っており、嫁に対してしつこく、さらに大声で怒鳴りつけていた。嫁の座っている椅子の足を蹴ったりもした。そして最終的に「なんなら出ていけ!!!!!」と怒号を浴びせ、俺は夜の22時頃だったか、嫁を追い出してしまうという顛末があった。
もちろんその日は嫁は帰って来なかった。(友達のとこにでも転がり込んでるんだろう。明日帰ってくるだろう)そう思っていたのだった。
次の日。
俺は(きっと嫁は友達の家から直接、病院へ勤務しているに違いない。ってことは18時くらいには帰ってくるか。帰ってきたらちょっと謝っとくか・・・)と考えていた。
だが、嫁は帰っては来なかった。また、その間、何度も電話をしたが携帯電話の電源は切れたままだった。
そんな日が3日連続して続いた。俺は(流石に3日間は長すぎる・・・会社に明日電話してみるか・・・)と思った。
4日目、俺は妻(名前はチエミと呼ぶ)の会社に電話をしようかと思ってはいたが、(しかし、なんの理由で電話したらいいのだろう?)と土壇場になって迷いが出てきた。それからしばらく考えたあと、、、(俺が遠方に出張していて、、すぐに送ってほしい書類があるからチエミに頼もうとしたが、チエミの携帯の電話も出ないのでご迷惑かと思ってが急に必要な書類なので会社にかけてみた)と言う設定なら無理もないか。と思った。
相手「はい、Y病院でございます」
俺「えーと、そちらで勤務している森田チエミの夫ですが、本人はいらっしゃいますか?少し用事がありましたので病院にかけさせていただきました」
相手「森田チエミさんですね、、、少しお待ちください」
と言った具合で電話をかけたら、チエミの上司である看護婦長が最終的に電話を代わり、「森田さんならコロナにかかったと言って少しお休みいただいてますよ?ご主人ですよね?」と怪訝そうな対応をされたのだった。
すかさず俺は「ええ、私も地方まで出張に来ておりまして、家の状況がわからないんです。チエミはコロナになってたんですね、だから連絡つかなかったのか。わかりましたwありがとうございますw」と愛想よく電話を切ったのだった。
(会社には行ってない・・・・。どういうことだ・・・)
それから俺は猛烈な不安を覚え始めたのだった。何か事件に巻き込まれたのか、、、それとも実家に帰ったのか?
そして俺は名古屋にあるチエミの実家に「先日はみかん頂いてありがとうございましたw」等と探りの電話を入れたが、チエミの母親の反応はいたって普通。俺と喧嘩して出て実家に帰ったのであるならば、あの母親の反応はあまりにも普通すぎる。となると実家にも帰ってはいない。
俺はいてもたっても居られず、とりあえず思い当たる場所、特に駅の自転車置き場を探しに行った。俺がチエミを追い出した後、自転車も共に消えている。持って行ってるものといってもハンドバッグひとつくらいで着替えなんて持って行ってはいない。
そし私鉄のO駅とJRのG駅を探し回ったが、自転車置き場にチエミの自転車は置いてはいなかった。(電車は使っていない・・・となると、知人の車かバスかタクシーか、徒歩か・・・)といろいろ考えたがチエミの行動は読めなかった。
そしてチエミが出て行ってから1週間が過ぎた。そして、、だんだんと俺も腹が立ってきたのを覚えている。
(あの女、家を出て行って俺にわざと心配させようとしてんのか!?ふざけやがって。まさかコロナだとか言って会社休んで友人とバカンス行ってるんじゃねーだろうなぁ)
そんな考えもよぎってきた。過度な心配の副作用とでも言えるのかもしれない。
(だったら警察に行ってやるよ。警察に探させてやる)
<<捜索願>>
そう決意した俺は、捜索願い。と題を書いたB5用紙に、当時の状況、チエミの背格好、服装、俺の連絡先をワード打ちした用紙を持って最寄りのE署まで赴いたのだった。
受け付けて事務の女性警官に「捜索願を出したいのですが・・・」と話すと、「捜索願ですね。では生活安全課を呼びますのであちらの椅子にかけてお待ちください」とのことで俺はしばらく待つことにしたのだった。
5分後、初老のベテラン刑事とまだ20代前半か、バインダーを持った青年警官が降りてきて、「捜索願ですかね」とベテラン刑事の方が聞いてきたのだった。
それから小部屋の中で状況を説明し、書いた用紙を手渡したのだが、すると想定しなかった回答が帰ってきたのだった。
ベテラン刑事「えーとね、この森田チエミさんの捜索ってことだけど、奥さんに関しては我々がどこにいるかの確認が取れてるので、捜索を受理できませんね」
俺「え、、居場所がわかる?なんでですか?どこにいるんですか?」
少し迫った感じで聞くと、ベテラン刑事は若い刑事に(お前が説明しろ)と言わんばかりにアゴで合図をしたのだった。