来年定年を迎える歳になりました、これと言った大きな出来事も無く平凡な人生だと思いますが、
妻には忘れられない出来事があるのです。
今から20年くらい前でした同期の親友が奥さんを病気で亡くされ1人息子さんも就職が決まったそんな時でした。
俺、転勤希望するよと言ってポツリと私に言うのです。
上司から栄転を薦められ親友は部長職で栄転となりました。
明日が出発の日でした、我が家でささやかな送別会を、
2年前奥さんを亡くされ落ち込んでいる彼を最後の持て成しでした。
今夜はとことん飲むぞと親友との最後の夜を楽しみました。
時間もドンドン過ぎ親友も酔い潰れ呂律が回らない状態でした。
泊めるしかないなと妻と相談し客部屋に布団を、
妻と二人で彼を寝室へ運び入れ私達も寝る事にしました。
酔ってるにも関わらず目が冴えていました、妻もまだ寝付けないようでした。
私がオイ、あいつ嫁さん亡くしてアッチの方、ふじゅうしてると思うんだ、
なあ~今夜だけアイツの所で寝てくれないか、
あなたそれ本気で言ってるの?
ああ~本気さ、あいつとはもう会う事も無いと思うんだ俺達夫婦と彼との最後の思い出にしたいんだ、どうだお願い出来ないかな?
あなたとは良いお友達よねいつも飲んで帰ってあの人と飲んだって言ってたもんね。
妻は何も言わず部屋を出て行きました。
私は朝まで寝付けず仕舞いでした。
朝の6時ですまだ起きる様子がないので彼が寝てる部屋をそっと覗いたのです。
動悸が激しくなり部屋を見ると寝てる彼の身体に身を寄せてる妻の姿があったのです。
出て行く時はパジャマ姿でしたが見えてる上半身は裸でした。
それから1時間後でした妻がパジャマ姿で私の部屋へ来て起きてるの?
私は寝てないのに、ああ~今、起きたと嘘を言いました。
今から朝ごはん用意するねと言って台所へ向かったのです。