もう10年以上前の話。
無防備だった元妻○美が酒に酔って意識がなくなったのをいいことに、酒の席や私が留守中の自宅で全裸にされ、盗撮された画像がインターネットに流出した。
○美とは同期入社で研修で知り合い、その後別々の支店に配属になったが、交際を経て結婚した。
○美は、中学校から私立のお嬢様学校に通い、頭脳は明晰で高学歴だったが、どこかポーっとした天然タイプだ。
人を信用しやすく、お人好しなうえに、酒が弱いくせに勧められると断れず、何度か酔いつぶれて同僚に送って来られるような無防備なところがあった。
結婚以前から気にはかかっていたが、ある騒動があって、やはり○美が職場の同僚から標的にされていたことが発覚した。
入社4年目のある日、職場で○美がセクハラまがいの行為を受けたということで連絡があり、会社側から説明を受け、職場環境を改善するといった方向で話は終わった。
会社からの説明では、
「○美の支店に勤務する男性社員の間で、○美を性的に中傷する内容のメールのやりとりがされていた。」
「聞き取り調査の結果、酒の席などで元妻に触れるなどのセクハラ行為が何度かあったことが発覚した。」
「関わった社員については配置転換する。」
といった説明だった。
会社からの説明では、よくある職場のセクハラ行為だという程度のもので、当時深刻には感じていなかった。
○美もまだ一人前とは言えない程度のキャリアであり、職場に波風を立てるのを嫌って、騒動を早く収束させることを願った。
そんな状況で、騒動はなかったことのように終わった。
しかし、騒動から約半年後、○美が受けていた行為が、○美も知らないうちに犯罪レベルのものであったことが発覚する出来事があった。
あるとき、同期入社で仲の良かったKからメールが届いた。
Kとは新人研修の同じ班で、○美とも共通の知り合いだ。
Kは感心するほどのAVマニアで、近頃はファイル共有ソフトで動画や画像収集するのが趣味のようだった。
普段は常にふざけた感じのメールを送ってくるKにしては、なにかもったいぶった感じのメールだった。
K
「ちょっと変なものネットで落としたんだけど、見てもらえる?」
私
「なんだ?またマニアックな趣味の動画だろ?もういいって。笑」
K
「いや、画像1枚だけど、っていうか1枚でもないんだけど、見てみてほしいのは1枚。」
私
「?なんだ?エロ画像じゃないのか?」
K
「まあ、そうなんだけど...送ってみるから確認してみてよ。怒らないでな。」
私
「なんだ?いいから見せてみ。」
Kから届いたメールには画像1枚が添付されていて、画像を見た瞬間凍りついた。
画像は、身障者用のトイレ内だろうか、そこで全裸の状態で便器に座らされ全裸で補助用の手すりに足をかけて開脚させられ、首を斜めにうなだれた女のものだった。
この画像の女は○美だと分かった。
顔は斜めにうなだれていて、似てはいるもののハッキリと○美とは言えない。
しかし、右太もものつけ根にあるホクロ、見盲腸の手術あと、耳の形、見るほど体の特徴が○美のもので、○美に間違いないものだった。
私は混乱した。
○美がこれまで泥酔して意識もうろうになった状態で帰宅したことが何度かある。
画像のシュチュエーションは十分にありえることだ。
しかし、親しいからとはいえ、Kに対してそれを認めるわけにもいかない。
私は必死に動揺を隠しながら、Kに平静を装ってメールを送った。
私
「バカちんだろ?笑、○美はこんなに陰毛がカールしてないわ。ヒマ人め。笑」
K
「そっか、マジで○美ちゃんかと思ってドキドキしてたよ。だって、この画像、○美って名前のzipに入ってたから。妄想全開になったわ。笑」
とりあえずKに対してはこんなやりとりでごまかしたが、最初のKのメールで気になる部分があった。
Kは画像が1枚ではないようなことを言っていた。
しかし、これ以上詮索すれば、Kに疑念をいだかれる。
その場はこらえてKとのやりとりを終え、自力で「○美」という名前が付けられたzipファイルを探すことにした。
ファイル共有ソフトで探すこと2週間あまり、「C _○美」という名前のzipファイルを発見、ダウンロードした。
つづく