「なぁ、今井、、今週末何してる?」
「何って、特に何もしてなですけど・・・」
「じゃあ、ヒマか?」
「ヒマって言えば、ヒマですけど、何かあるんですか?」
「うん・・・じゃあ、家に飲みに来ない?」
「家って、先輩の家ですか?」
「そ、そう、俺の家。。」
私は広告代理店に務めているごく普通のサラリーマン。
今井は同じ営業部で一緒に働いている6才年下の後輩です。
その週末、僕にはと~っても憂鬱な週末になる予定でした。
というのは、今年中学生になった一人娘がテニス部の合宿で
嫁さんと二人っきりになる予定だったからだ。
お恥ずかしい話だが、娘が生まれて以来、嫁さんとあっちの方がご無沙汰で、
前回いつしたのかも覚えていないくらいの、いわゆるセックスレス。。
その嫁さんと娘抜きで、二人っきりで過ごす週末は始めてで。
なんて言うか、なんとも不安で。。それで、今井を誘ってしまいました。
「別に僕は良いですけど。でも、せっかくの週末におじゃまして良いんですか?」
「いいよ。っていうか、ぜひ、おじゃましてもらいたいんだよ。」
「え?どういうことですか?」
僕は嫁さんとのことを正直に今井に話しました。
「それだったら、せっかくの二人っきりじゃないすか?!二人でゆっくりしたら・・・」
「お前には分からないだろうけど、、もうそんなんじゃないんだよ。」
「ふぅ~ん、そういうもんなんですかね。でも、奥さんまだ若いじゃないですか?!」
たしかに、、世間一般で言えば、嫁さんはまだ若い、、と思う。
娘が出来ちゃった勢いで結婚したのが23才のときだったから、、今年36才だ。
「たしか、僕が入社したばかりの頃に一度、お会いしましたよね。」
「そ、そうだっけ?」
「先輩が何かの書類を家に忘れて、奥さんが会社まで持ってきてくれたじゃないですか
あの時、会いましたよ。すっごい美人だな、、って思いましたもん。」
「え?そんなことあったっけ??」
僕は全然覚えていませんでしたが、今井はハッキリ覚えていると言いました。
「足がめっちゃ細くて、モデルみたいなな奥さんだな、って思いましたもん。」
「モデルは言いすぎだろ?!」
と、言ったものの、嫁さんのことを褒められて悪い気はしませんでした。
「じゃあ、OK?」
「僕は全然、いいですよ。どうせ、何にもすることないですし、っていうか
久々に先輩の奥さんに会いたくなってきちゃいました。(笑」
と、いうことで、、今井は家に来ることになりました。
そして、週末。。
「今井さんって、おいくつなんですか?」
「29です。来年30です!」
久々のお客さんということで、嫁さんも頑張って食事を作ってくれて
今井にお酌をしながら、話を盛り上げようとしてくれています。
「へぇ~、若い!まだ20代なんですね。いいなぁ~」
「そういう奥さんだって、まだ若いじゃないですか?!」
「え~私ですか??ぜんぜん若くないですよ。。もう四捨五入したら40ですよ。」
「え??そうなんですか?ぜんぜん、そんな風に見えないですよ。僕より年下かと思いましたもん。」
う、嘘つけ。。それは言いすぎだろ。。
私は二人の会話を聞きながら、笑いを堪えていました。
「そんなこと言ってくれるのは、今井さんだけですよ。」
「いやいや、そんなことないですよ。スタイルだって良いし。誰だってそう思いますよ。」
「もう、今井さん上手なんだから。そんなこと言っても何もでませんよ。(笑」
とか、言いながら、嫁さんもまんざらでもないようで、満面の笑顔で今井にお酒をつぎ、
今井もいつにない笑顔でその酒を美味そうに飲み干しました。
「いやぁ~、でも、先輩が羨ましいな~」
「え?何がですか?」
「こんな美人の奥さんと結婚できて。」
「そ、そんなことないですよ。この人は私のことなんてな~んとも思ってないですよ。」
今井と同じピッチで飲みつづけていた嫁さんは、いつになく酔っ払っているようで
今井の肩を叩きながら言いました。
「先輩、そんなことないですよね? 奥さんのこと愛していますよね?」
「そ、そりゃ~、、あ、愛してるさ。」
「え~~本当ぅ~に??」
半分座りかけている目で嫁は渡しを睨みながら言いました。
「愛してるに決まってるじゃん」
「ふぅ~ん、、とか、言いながら、私になんてもう何の興味も無いくせに!」
え? もしかして俺、からまれてる??
「興味ないってどういうことですか?」
「今井さん、聞いてくれます? この人、私のことなんて女と思ってないんですよ」
「ど、どういうことですか?」
「それは、、その、、ね。。そういうことですよ。」
そう言うと、酔っている顔を、さらに赤くして、嫁は今井の膝を叩きました。
「そ、そうなんですか?? も、もしかして、、レス?とか」
「もう!今井さん、ハッキリ言い過ぎ!!」
おい、おい。。知ってるくせに。。今井のやろう。。
「えーーー!!!信じられない。。こんな美人の奥さんとレスなんて。。。」
「で、、ですよね?! 信じられないですよね?!」
「いや~信じられないです。俺だったら、毎日してますよ!」
「今井さん、、それは言い過ぎ、っていうかやり過ぎ!(笑」
と、、二人は下ネタで笑っていましたが、私は笑っていられませんでした。
すると、調子に乗った今井が言いました。
「先輩、刺激が足りてないんじゃないですか?」
「し、刺激?なんだそれ?」
「ほら、刺激無しはセックスレスの元!って言うじゃないですか?!」
そ、そんなこと聞いたこと無いぞ。。
「そうだ、奥さん、先輩を刺激してやりましょうよ!」
「し、刺激って??」
「奥さんが魅力的だってことを、わからせてやるんですよ。」
「え~??私、魅力的なんかじゃないですもん。」
さっきまでの勢いはどこへ行ったのか、、嫁さんがモジモジしはじめました。
「いやいや、奥さんは十分に魅力的ですって。足だって細いし。スタイルも抜群だし。」
「そ、そんなことないですよ。」
そう言うと、嫁さんは手で、胸と足を隠すような仕草をしました。
その姿を見ていたら、なんだか急にムラムラしてきて、私はつい言ってしまいました。
「おう、いいじゃん。じゃあ刺激してみてよ。」
その言葉を待っていたかのように、今井が酔った目を輝かせました。
「よ~し、奥さん先輩のOKが出ましたよ。思いっきり刺激してやりましょう!」
「そ、そんな、、どうやって?」
「先輩に、奥さんが魅力的だってことを証明してやるんですよ。」
すると、今井は自分のベルトに手をかけズボンを脱ぐとパンツ一丁になり言いました。
「僕のが立ったら奥さんは魅力的だってことですよ。ね、先輩。」
「た、立ったら、、って、お前。。」
それが、違った意味での憂鬱な週末の始まりでした。