美代子が週末に飲みに聞いてから、僕は仕事が手につきませんでした。部長が僕に嘘を言った可能性もあると最初は思ってました。うろたえる僕の様子を見て楽しんでいるんじゃないかと。でも、同じ日に美代子は飲みに行くと言ったのです。行く相手は企画の女子メンバーだと言っていましたが、今は美代子が嘘をついてるとしか思えませんでした。木曜日。僕は部長に話があると言って、会社近くの喫茶店まで来て貰いました。「すみません。急にお呼びたてして…。あの、明日の件なんですが…」「おう、7時に待ち合わせや」「本当…なんですよね?美代子は…企画の人達と飲みに行くって僕には言ってて」「へえ。嘘ついてるんや」「あの…やっぱり、飲みに行くのはやめていただけませんか…?」「なんで?職場の元先輩と飲みに行くの止める権利あるんか、お前に?」「いえ、それはそうなんですが…僕は部長と美代子の、その、昔の関係を聞いてしまったもので…」「今さら、そんなん言われてもなー。美代ちゃんが行きたい言うてた店ももう予約したし。何や?心配なんか?嘘ついてるし?」部長はまたニヤニヤ笑いをします。「お前がそんなに心配なら、メールでちょいちょい報告したるわ。それやったら安心やろ」「それは…そうですけど…。あの、美代子は普通に部長の誘いをOKしたんですか?」「ああ、前も言うたけど、なかなか、うんと言わんからさ。いろいろ、あの手この手でモーションはかけたで」「それで…OKしたんですか…?」「したよ。ただ飲みに行くだけやで?たいしたことちゃうやろ?」「それはそうなんですが…。あの…変なこと…しませんよね?」「何やねん?変なことって?そりゃな、男と女のも関係やったら何が起こるかはわからんわ。でも、それは美代子の判断やろ?美代子が断わったら済む話やん?お前、そんなことでグジグジ言うてたら、嫁に愛想つかされんで?仕事でもそや。お前はすぐに慌ててバタバタしてすぐパニックになりよる。男なんやから、ドンと構えろよ、ドンと!」最後は仕事の説教みたいになってしまい、僕はそれ以上何も言えませんでした。その日の夜、僕はなかなか眠れませんでした。そして、隣りで寝ている美代子の布団に潜り込みました。「何暖」すでに眠っていた美代子が驚いて目を覚まします。僕は美代子のパジャマの上から体をまさぐりました。「エッチしよ…」明日の事を考えて不安になった僕は、今夜、美代子を抱くことで部長と会っても妙な気を起こさないんじゃないか、と思ったのです。「明日も早いんだから、いいって…」美代子は僕の手をはねのけました。「したいんだって…。いいだろ?」「眠いんだからぁ」美代子は僕の手を逃れて、布団の奥の方へ移動しました。「なんだよ…!」僕は諦めて自分の布団に戻ります。美代子が断ること自体不思議ではありませんでした。ここのとこ、僕と美代子はセックスレス状態。子供が生まれてからセックスの回数は減り、美代子が仕事を始めてからはまったくしていなかったのです。しかし、僕は部長と美代子のことを考えると、その後もほとんど寝ることはできませんでした…。翌日、美代子が飲みに行くので、僕は早めに家に帰ることになっていました。今朝も美代子は特別変わった様子はありませんでした。少しいつもより華やかな服を着ているなと思ったので、そのことを訊くと、「飲み会だし」と普通に答えます。部長もいつもと一緒でした。僕だけが仕事が手につかない感じでした。7時前には僕は家に帰っていました。夕方、まだ会社にいる時に美代子からメールが来ました。[今日はごめんね。ご飯炊いてくれたら、オカズはレンジで温めてくれるだけでいいので。子供たちよろしくです。][わかった。今日は何人で行くんだっけ?〕僕はわざと返信に書きました。[3人だよ。◯◯さんと◯◯さん]妻の返信に僕は怒りを覚えました。部長と僕は同じ職場にいるということは、部長が僕に飲みに行くことを告げる可能性があります。それを平気で嘘ついてるということは、部長と口裏を合わせているからしかあり
...省略されました。
部長のメールに僕は顔面蒼白になっていたと思います。ラブホの文字に、慌てて返信します。[冗談ですよね?もう遅いので美代子を帰していただけませんか?]部長からすぐに返信は来ません。僕は美代子にもメールしました。[どこのカラオケボックス?何時ぐらいになる?]本当に妻は部長とホテルに行ったのか…?僕は気が気ではありませんでした。美代子のことは信用していました。結婚以来、浮気の気配を感じたりしたことはありません。友達と遊びに行くことも少なく、妻としても母親としてもよくできている方だと思います。妻に限って他の男と絶対にホテルなんかには行かないと信じていました。しかし、相手は部長です。妻の元彼です。僕は一向に返信のない携帯を手にひとりじりじりと焦燥感に駆られていました。それでも、その時は一縷の望みを持っていたと思います。携帯が着信を知らせました。僕はすぐにメール画面を開きます。メールは部長からでした。[こんな感じで]メールには画像が添付されていました。そこには明らかにラブホと思われる部屋が写っていました。広い部屋。大きなベッド。オレンジ色の灯り。テレビと自動販売機のような物も写っています。目を見開いて画面を見つめていると、またメールの着信がありました。部長からです。[美代子は今シャワー中。パンツめちゃヌルってるで笑]このメールにも画像が添付されていました。脱衣籠の中の、青いレースがあしらわれた何となく見覚えのある美代子のショーツが写っていました。部長の手によって裏返しにされたショーツは、ライナーの部分が濡れているようにも見えます。僕はその画像を見た瞬間、足がガクガクと震えました。わずかな望みは完全に絶たれました。震える手で部長にメールを送ります。[美代子を帰してください。お願いします。]部長からはすぐに返信は来ませんでした。5分、10分ぐらい経ってからでしょうか。メールが来ました。[じゃあ、今から美代子とオメコするわ。また後で]僕は猛烈な焦りを感じました。思わずメールではなく、美代子の携帯に電話を掛けました。呼び出し音が流れます。出る気配はなく留守番電話に切り替わりました。すぐにもう一度電話を掛けました。同じです。美代子は電話に出ませんでした。僕はリビングのソファに座り呆然としていました。元はと言えば、僕が美代子にはっきりと行くなと言えばよかった話です。流れのまま、それを引き止めなかったのは僕の責任ですし、僕にはどこか最初から諦めていたところがあったのかもしれません。部長が美代子の元彼だという事実がわかり、美代子の昔の写真を見せられた後、心の奥底で奇妙な興奮を感じたのは間違いありません。しかし、いずれにしても、もう後戻りできない結果になってしまったのです。しばらく時間が経って、もう一度電話を掛けてみようかと思った時、部長からメールが来ました。僕はソファから飛び起きてメールを開きました。このメールにも画像が添付されています。[一回戦終了。オメコの締まりは前とあんまり変わらんかったけど体がだらしなったな笑でも、ええ声で鳴いてたで](ああぁ…!)添付されていた画像は2枚ありました。僕は画像を見た瞬間、心臓が止まりそうになりました。一枚目の写真はバスタオルを体に巻いた美代子の写真でした。もちろん、過去の物でないことは、顔や髪型を見ればわかります。美代子は笑っていました。ふいに写真を撮られたのか笑顔で口を開けています。そして、二枚目の写真。美代子は全裸でした。ベッドに横たわった美代子がM字開脚
...省略されました。