やっと大きなプロジェクトが完了したので、
その日は早めに仕事を終え、家に帰る予定だった。
今日は、久々に嫁さんの飯が食える・・・
結婚してもうすぐ4年、もう新婚ホヤホヤ、とは言えないけれど
それなりに二人で結婚生活を楽しんでいた。
嫁の明美は料理が上手い。性格はお嬢様育ちのせいか優しくておっとりしている。
スレンダーなボディーは透き通るように肌は白く、少し小ぶりだが形の良い胸が私の自慢だ。
そんな明美と今夜は久々に・・・そう考えただけでニヤけてしまった。
「先輩、なにニヤニヤしてるんですか?」
突然、後輩の藤本が声をかけてきた。
藤本は今回のプロジェクトで大活躍をしてくれた三つ年下の後輩だ。
「ニヤニヤなんか、してないさ。」
「ならいいんですけど。っていうか、今回のプロジェクト成功してホント良かってすね。」
「ああ、そうだな。藤本には本当に感謝してるよ。今度一杯おごるよ!」
「ホントですか? だったら今夜飲みに連れてってくださいよ。」
「こ、今夜? 今夜は、ちょっとな。。」
「え? ダメなんですか。。じゃあ今度必ず連れてってくださいね。。」
ちょっとお調子者なところがあって、たまに尻拭いさせられるが、仕事では結果を出す、
そんな憎めない藤本の残念そうな後ろ姿を見てなんだか申し訳ない気がして、思わず、、
「じゃあ、ちょっとだけイクか?」
「でも、いいんですか? なんかあったんじゃないんですか?」
「大丈夫だよ。気にするな!さぁ行くぞ。」
「はい!」
・・・・・・・・・・
「おつかれさん!カンパーイ!」
いつもの居酒屋に入り、生ビールで乾杯をした。
「いや~、良い仕事をした後のビールは最高っすね。」
「そうだな。でも今回のプロジェクト、藤森があの時、俺のミスを発見してくれなかったら
今頃大変なことになってたよ。本当にありがとう。何かちゃんとお礼しなくちゃな。」
「お礼だなんていいっすよ。当たり前のことやっただけっすから。」
「そうか。じゃあ、今日はガンガン飲んで食え!なんでも頼んでいいぞ!」
ああ、、今日は早く帰って嫁さんの手料理を食べる予定だったのに
その場の雰囲気で思わずそう言ってしまった。すると、、
「あの~先輩。。だったら、一つお願いがあるんですけど。。」
「なんだ、なんでも言ってみろ、何でも食わせたるから」
「ホントっすか。。だったら先輩の奥さんが作った料理が食べてみたいです!」
「はぁ? うちの嫁さんの料理?」
「はい。先輩の奥さんの手料理が食べてみたいっす。」
「なんで?」
「実は俺、先輩の奥さんのファンなんです。」
「ファン?」
面食らって聞き返すと、藤本は手にしたビールを一気に飲み干してから言った。
「先輩の結婚式でお会いした時からファンになりました。」
「どうして?」
「先輩の奥さんがあまりにも綺麗で素敵だったから。」
「じょ、冗談だろ?そんなこと言ったら嫁さん喜んじゃうよ。」
「ホントですよ。結婚式でみんなで撮った写真、今だって持ってるんですから。」
そう言うと、藤本は財布の中から大事そうに写真を一枚取り出した。
そこには、ワイングラスをもって微笑む明美と私、そしてその周りを囲むように会社の仲間たちがいた。
そして、藤本は明美の斜め後ろに立ってピースをしていた。
「ね、嘘じゃないでしょ。」
「あ、ああ。でも、お前、ファンって、ちょっと大げさだろ。」
「大げさじゃないっすよ。先輩の奥さんは俺の理想っていうか、アイドルなんです。」
「理想?アイドル?」
「俺も、あんな素敵な人と結婚したいんです!」
まさか、藤本が自分の嫁さんをそんな風に思っていただなんて夢にも思わなかった。
でも、自分の妻のことを綺麗だ理想だ、アイドルだ、と言われ、正直、悪い気はしなかった。
「でもさ、、結婚式で一度会っただけで普通ファンになるか?」
「会っただけじゃないんです!」
「会っただけじゃない、、って結婚式で他になにかあったか?」
「・・・」
それまでの、勢いはどこにいってしまったのか、しまったという顔をして藤本が急に黙りこんでしまった。
何があったんだろう?? ここまで来て聞かない訳にはいかない。
今度は私がビールを一気に飲み干すと藤本に聞いた。
「いったい何が、藤本をうちの嫁さんのファンにさせたんだよ!ちゃんと教えろよ!」
「先輩、怒らないって約束してくれますか?」
「ああ、怒らないよ。約束する。」
「実は、、見ちゃったんです。」
「何を?」
「奥さんのあれを。」
「あれって何?
「お、奥さんの・・・オッパイ。。」
「オ、オッパイ?? 俺の嫁さんの??」
「は、はい。。でも、違うんです、見たっていうか、見えちゃったっていうか。。」
私は明らかに動揺していた。藤本が私の自慢の嫁の胸を見たって、、そんなことありえない。。
ありえない、と思う反面、あったらどうようよう。。そう考えると胸がドキドキした。
その動揺を隠すように、私は聞き返した。
「い、いつ?どうやって?」
「その写真を撮った時です。たまたま奥さんの斜め後ろに立って何気なく下を見たら。奥さんのオッパイが。」
「オッパイ、、って胸の谷間とかの話だろ?!」
「いえ、谷間じゃなくて、オッパイが見えちゃったんですよ。」
「オッパイ、、ってあれ? 全部?」
「はい。全部。」
「うそだろ。」
何が何だかよく分からなくなってきた。確かに結婚式のとき、明美のドレスの胸は大きく開いていた。
もともと、そんなに大きな胸じゃないのに、パットを入れて大きく見せていたのも事実だ。
もしかしたら、そのパットがズレて浮いちゃって見えちゃってたのかもしれない・・・
いずれにしても、藤本が嘘を付いているとは思えない。
そう考えたら、急に胸がドキドキしてきた。あれ? なにこの感覚? 俺、もしかして、興奮している?
その証拠に下腹部がビクビクした。あれ?
自分の嫁さんの胸を他人に見られて興奮している自分がいた。頭ではそんなの変だと解っている。
でも、ドキドキ脈打つこの心臓の動きは止めることができなかった。
「そ、そっか。嫁さんのオッパイ、見えてたのか?
俺もさ、あのドレスちょっと胸が開き過ぎと思ったんだよね。」
怒らないといった手前、怒ることもできないし、オッパイを見られたくらいで慌てるのもカッコ悪いと思い、
平気なフリをして言った。すると、その言葉にホッとしたのか、藤本がその時の様子を話し始めた。
「あの時、奥さんがワイングラスを受け取ろうと前かがみになった時に胸元がゆるんでたんです。
その時はまだ見えなかったんですけど、奥さんがお友達のカメラに向かってピースをしたとき、
胸のカップがズレてドレスの中で奥さんのオッパイが浮いちゃって。。もう俺、ビックリしちゃって、
悪いな、と思いながらも、ガン見っていうか、しばらく見続けちゃいまして、、すみません。。
でも本当に綺麗ですよね。ああいうのを美乳っていうんでしょうね。」
こいつブン殴ってやろうか!?と思う反面、もっと聞かせてくれという、矛盾した気持ちの中、、
もうこうなったら、どうとでもなれ。。って感じで、運ばれてきたお代わりのビールを飲みながら続けた。
「ビニューってさ、、お前、まさか、微妙の『微』じゃないだろうな?」
「ち、違いますよ。美しいの『美』、美乳ですよ。」
「とか言いながら、実は俺は微妙なほうの微乳も好きなんだけどね。ほら、お前にはもう見られちゃってるから
言うけどさ、うちの嫁さんのオッパイってそんな大きくないだろ。でも、俺にとってはそれが良いんだよ。」
「せ、先輩、、俺も好きっす。そういう微妙なオッパイ好きっす!っていうか先輩の奥さんのオッパイ最高っす!」
「そうか、お前も微乳が好きか!俺の嫁さんのオッパイそんなに好きか!よっしゃー微乳にカンパーイ!」
二人とも酒量が増え、どんどん話が訳が分からなくなってきた。
「先輩!俺、もうこうなったら、白状します。」
「白状? おう、全部白状してしまえーー!!」
「実は俺、、奥さんのオッパイ思い出してオナニーしたことあります。っていうか、何回もしちゃいました!」
「マジ?? 藤本、お前、うちの嫁さんおかずにしてセンズリしちゃったの?!」
「はい。思いっきりおかずにさせてもらいました。先輩、すみません。ごちそうさまでした!」
「いいえ、どういたしまして。。ってアホか。まぁ、センズリくらい、別にいいけどさ。。」
別にいいけど、、そう言ってはみたものの、ますます、おかしな感覚に包まれていった。
後輩とはいえ他の男が自分の嫁さんのことを性の対象とし、想像し股間を膨らましている。
そして、そのことに対し誰より自分が一番興奮している。。
「先輩、このこと絶対に奥さんに言わないでくださいね!」
「言わないよ。っていうか言える訳無いだろ!」
「良かった。そうっすよね。でも、俺、もう一度奥さんのオッパイ見れたら死んでもいいかも。。」
その時、ふと、脳裏に疑問が浮かんだ。
もし、本当に藤本に嫁さんの生のオッパイを見せたら、こいつはどうなってしまうのだろう?
もし、藤本に嫁さんの生のオッパイを見られたら、俺はどうなってしまうだろう?
その場の流れと酒のせいとはいえ、これまで味わったことの無い興奮と
あとからあとから湧き出て頭の中を埋め尽くす好奇心に私は勝つことができなかった。
「藤本!じゃあ、これから家に来るか?!」