あれから2週間、会社の同僚にはあれからどうなったとか、進展はあったのか。と、 聞かれますが、向井さんからの連絡もなく、やはり冗談だったのだと思っていました。 ところが、それからさらに1週間後の土曜日、向井さんからメールが来ました。 また、麻雀の誘いかなとメールを見てみると、 「例の話はどうなったかな?まさか忘れていないよね?」と、 やはり実現させるつもりだったのです。 ですが、俺は「妻にどう話したらいいかわからず」と返信すると。 「なに、正直に麻雀の賭けに負けた。一度でいいから向井さんの 相手をしてくれないか。と言えばいいじゃないか。もしそれで奥さんが嫌がれば 私も諦めるよ。残念だがね」 このメールにダメ元で言ってみるか。もし怒られても自業自得だと覚悟を決め、 仕事を終えて、帰宅し妻の手料理をいつものように食べながら、遂に話をした。 「恭子。怒らずに聞いてくれ」 意識はしていませんが、恐らく珍しく緊張し声が震えていたでしょう。 ただならぬ俺の態度に妻も背筋を伸ばし。 「ど、どうしたの改まって。会社クビにでもなった?」 妻も何とかこの空気を和らげようとしてくれたのでしょう。そして話を続け。 「じ、実はな。この前の麻雀で向井さんとある賭けをしたんだ」 それを聞いた妻はそんなに深刻な話しじゃないんだと肩の力を抜き耳を傾けた。 「そんなに大金を賭けてるわけじゃないんでしょ?何を賭けたの?あなたが負けたの?」 早く先を知りたい妻は矢継ぎ早に質問し、 「お、お前を・・・賭けたんだ」 乾いた喉をビールで潤し、アルコールの力も借りて伝え、妻の顔を見た。 「わ、私?一体どういうことなの?」 意味もわからずキョトンとする妻にこの前の麻雀の話をした。 俺が負けたら向井さんに前から気に入っていた妻を抱かせる。と。 そして俺が負けた事を・・・離婚と言われるかもしれない。自分を賞品のように扱った事に怒り軽蔑しているだろう。 恐る恐る妻の顔を見てみると。無表情で俺をじっと見ていた。 「なるほどねぇ。この前のあなたの変な言動や行動にやっと納得したわ。 そういう事だったのね。私にあなた以外の男に興味があるかって聞いたのも そのせいだったのね」 全く女という生き物は恐ろしい生き物だった。 何週間も前の何気ない会話を覚えているとは。 「恭子が嫌ならこの話はなかった事になるんだ。まぁいくらか代償は払う羽目になるがな。 すまん。お前の事を考えないで、勝手な事をして。 お前の体を褒められて、羨ましいとか言われて調子に乗ったのかもしれないよ」 正直に答えると、怒った風もなく。 「向井さんって、何回かしか会ったことないけど。へぇ、私のことそんな風に見てたんだ。 私もまだまだ女として捨てたもんじゃないってことよね」 怒るどころか気分よくしている妻は 「一度だけで博くんは救われるんだね。博くんが嫌じゃなかったら、 私、我慢してもいいよ。年上だし、そんなに長くならないでしょ?」 今の話で妻がオッケーしたこと、そして俺と同じく性にそんなに強くないだろうと 妻も感じているようでした。 俺は妻が他の男に抱かれるのはもちろん嫌でしたが、見知らぬ男に浮気されたり、 向井さんに無理矢理される事を考えると、まだ我慢できる(自己中な考えですが)範囲でした。 それに、うまくいけば向井さんの奥さんを抱けるかもし れない。と、悪い男の部分もありました。 翌日、早速向井さんにメールしました。 「この前の話ですが、妻をなんとか説得する事ができました。後はどうすればいいですか?」 すぐに向井さんから返信があり、「そうですか。とても嬉しいです。実は来週の土日、妻が友達と旅行に行きますので、私一人になります。奥さんの都合さえよければ、土曜の夕方か夜にしませんか?」 向井さんはこのタイミングを見計らって連絡してきたのだと思いました。 特に断る理由もなく、それに早く済ませたいという気持ちもあり、仕事から帰ると 妻に今度の土曜の予定を聞きました。 「私?んん~別に用事もないし、いいよ。でも、本当にこんなことあるんだね」 「やっぱり嫌か?嫌なら今でも間に合うぞ?」 「ううん、そうじゃないの。なんかドキドキしちゃって。向井さんに抱かれても 私の事、嫌いにならないよね?」 「当たり前じゃないか。俺の方こそすまん。嫌いにならないでくれよ」 何故か大事な娘を嫁に出す父親のような気分になり、とても妻が愛おしく感じ、 その夜はどちらからともなく求め合い、愛し合いました。 「恭子。愛してるよ」 「私も・・・博くん。愛してる」 若いころに比べやや衰えた肉棒を正常位で貫き、腰を振り抱きしめながら。 「アンッ・・博くん・・イッちゃう」 「はぁはぁ・・・俺もだよ。恭子」 そんなに時間は長くありませんでしたが、新婚当初のような言葉を交わしながらの セックスを楽しみました。 向井さんとはあれからも連絡をし、詳細を決めました。 夕方の5時に向井さんが妻を迎えに来ること。 向井さんは妻の同意があれば行為を撮影したいということ。 俺は妻が嫌がる事は絶対にしないこと。を、条件に話は進み、遂に土曜日を迎えました。 つづく。
昼御飯を一緒に食べ、いつもより言葉少なめに、なんとなく点いてるテレビを見ては時計を気にしたり。二人とも落ち着かない感じでした。4時頃。「そろそろ用意するね」と、妻がリビングから離れ、シャワーを浴びに浴室へと向かった。「あぁ。もうそんな時間か」向井さんから連絡がないか、携帯を見たり、またテレビを見たり・・・自分の妻が今から他の男に抱かれる。そう思うと、今までにはない嫉妬とは別の感情が湧いてきてました。妻がオッケーさえすれば二人の行為は撮影され、それを見る事ができるかもしれない。どんな姿で喘ぐのか、怖いもの見たさのような好奇心がありました。そんな事を考えてると、化粧も終え、着替えを済ませた妻が再びリビングに戻ってきました。普段からそんなに濃い化粧はしない妻でしたが、この日はいつもより念入りにしたのか、さらに若く、キレイに見えました。服装もドレス調の黒いワンピースに身を包み、照れくさそうに現れた妻に見惚れてしまいました。「どうかな?おかしくない?」恥ずかしそうに俯く姿は、何故か新鮮でした。「おかしくなんかないよ。き、キレイだよ」「そう?ありがとう。少しでもキレイな姿を見せて、そうすれば早く済ませてくれるかなって」やはり妻は今でも乗り気じゃなかったのだと思いました。くだらない賭けに負けた俺に付き合い、好きでもない男に抱かれる・・・できるだけ男の人が興奮しそうな服装を選び、さっさと済ませて、早く帰ってくるつもりなのだと。5時10分程前に携帯が鳴り「今から出ます。5分後には着くと思います」と、メールが来たことを妻に伝える。「嫌なら逃げ出したらいいから」ギュッと抱きしめた後、インターフォンが鳴りました。「来たね」「あぁ」ドアを開けると向井さんは車から降り、いつもよりおしゃれなスーツ姿で待っていました。「迎えに来ました。この日をどんなに楽しみにしていたか」満面の笑みを浮かべる向井さんに妻は頭を下げ挨拶をした後、俺の方に振り返り、「あなた。いってきます。できるだけ早く帰るからね」「あぁ、待ってるよ。 向井さん、乱暴はしないで下さいね」笑いで見送ろうと冗談っぽく言うと「ははっ・・心配は無用だよ。無傷で帰すよ」と、上機嫌の向井さんはそう言い返してきました。いつまで経っても車に乗ろうとしない妻に助手席のドアを開けて「さぁ、お嬢様。お乗り下さい」乗り込む前にもう一度俺の方を見て微笑んだ。妻が助手席に乗り込んだのを確認すると優しくドアを閉め、運転席に乗る前に「では、しばらく奥さんをお預かりします。奥さんが嫌がるような事はするつもりはありません。もし、私の家に着いた後、やっぱり嫌だと言うのなら、すぐに送りに来ます。無事に成功しその様子が知りたいのであれば包み隠さず話もします。まぁ、私の希望とすれば奥さんが撮影に協力してくれるのが一番なんですが・・・それから、奥さんをお借りするのは今回だけ。二度とあのような賭けを持ち出す事もしません。そして私が満足したらすぐに送ります」チラっとシートベルトを締め待っている妻を見、「向井さんはメチャクチャな事をするような人でない事はわかっていますよ。今夜は俺の事は気にせずに、妻と楽しい時間を過ごして下さい」向井さんのあまりにも紳士的な態度に強がって恰好をつけたが、内心は心配で、早く帰ってきて欲しい気持ちでいっぱいでした。「ありがとう。では、もう行きますね」そう言うとドアを開けて運転席に座るとエンジンをかけ、シートベルトを締めた後、二人は同時に俺を見て微笑むと、妻を乗せた車は消えていきました。しばらく茫然と立ちつくしていましたが、我に返り家へと入りそのままソファに寝そべってテレビを見ていました。「早くて1時間・・・いや2時間くらいかな」いきなり行為が始まる事はないだろう。少し話をして雰囲気がそうなって・・・テレビの内容など耳に入らず、頭の中で妻と向井さんがどうなるか想像をしていました。「結局勃たなくてできなかった・・なんて事ないよな」色々想像を膨らませた後、時計を見るとまだ30分も経っていなかった。恐ろしい程長く感じた30分。別に行方不明になったわけでも、誘拐されたわけでもないのに、妻の安否が心配で、酒
...省略されました。