この文章では登場人物の感情を限界まで排除します。
そして、俺のことを「彼」と呼びます。
彼(38)が兄(42)から借金の依頼を受けたのは遡ること数年前のことであった。
彼の兄は街でも有名な工業地帯で工員向けの定食屋を営んでおり経営状態も悪くはなかった。
今回、そんな兄が彼に借金を申し込んだ金額は200万。使用用途は店の改築の為であり、半年後には全額返済出来るとの事であった。
それから彼は兄の為に現金200万円を用意し兄へと手渡した。そして店の改築工事が始まり全ては順調に進んでいるように見えた。
それから暫く後に、中国武漢で新型ウィルスが広まっているとのニュースを耳にしたのだった。
一年後。
彼は兄からの返済を半年延長し、一年待つ事にした。だが兄の飲食店の経営状況は拡大どころか悪化していく一方であり到底、200万の一括返済は望む事もできない状況となっていた。
彼は兄に何度も連絡するものの、「今、金の工面してるとこだから」と程よくかわされ不信感すら抱いていた。なぜなら彼も新型コロナウィルスの拡大によって経済的にも自身の足元が揺らぎ始めていたからだ。
彼は言った。「せめて50万だけでもかえしてくれないか?」
すると兄は答えた。「わかった。俺は今、長野県まで出張にきてるからリサ(フィリピン人)に持って行かせるよ」と返事してきたのだった。
彼は兄の夫であるリサに対して好印象は抱いてはいなかった。今更フィリピーナ等と呼んでは時代遅れかもしれないが、兄は多国籍バーで働くリサに大枚をはたいて結婚まで踏み切ったという話だ。そんなカネのチカラありきでの結婚経緯を彼は快く思ってなかった所があった。
ともかく、貸した50万をリサが持ってくる。その日、彼は一人暮らしの部屋を掃除し、兄嫁であるリサの訪問を待つのであった。
そして当日、リサが彼のマンションに訪れた。相変わらずの印象。黒白の縦縞のスーツにタイトなミニスカート。結婚前に水商売は卒業しているはずであるが、今も水商売人と似たような服装をしていた。
宅内に招き入れる彼。そしてガラステーブルごしに目の前に座るリサ。決して狙って好んで見た訳ではないが、リサのタイトスカートからは薄紫の三角ゾーンが見えていた。
すると、リサはとんでもない提案をしてきた。
50万円は一応持ってきた。だが今回返すのは30万円にしてくれないか?生活が本当に厳しい。これは夫(兄)ではなく私(リサ)の判断。
当然、彼は断った。申し訳ないがこちらも厳し状況に立たされている。今回、50万円の返済を計算に入れた上で今後の生活を想定している。30万円の返済は受け入れられない。
1時間問答が続いた。
そして彼は言った「直接アニキと話す」するとリサは携帯電話を持とうとする彼に飛びかかるような形で必死に止めてきたのだ。窮地に立たされれば大胆な行動をとるのも日本人とはまた違うリサの性質なのかもしれない。
「アニキと話さない事にはどうにもならないだろ?」「夫には言わないで。夫は50万円返すつもりだから。今回のは私の判断だから」「だったら尚更、アニキと話さないと。リサの判断なんて今回はなんの関係もないだろ」そんな口論が続いた。
するとリサは「わかったわよ。だったらこれでどう!?」いきなり彼の目を直視してくると、同時にリサは大股を広げてタイトスカートの中の薄紫色のパンティを晒し出してきたのだ。
数10秒沈黙が続いた。
「これでって、、どういうつもりなんだよ」
そして、、また数分沈黙が続いた。
彼はこのような展開はここ数年、体験していなかった。酒タバコ、女遊びもせず、ただ働いて貯蓄をするだけの人生だった。彼にはあまりに刺激の強すぎる光景だったのだ。彼はリサのパンティから目を離す事ができなかった。
リサはそんな彼を見て状況が有利に働いている事を察知したのだろう。さらに追撃をしてきたのであった。
「30万だけにしてくれたら、パンティ脱がす事できる。気持ちい事もできる」
まさに心臓をえぐりつけるかのようなリサの一言だった。
つづく