今から10年程前。
とある地方都市に単身赴任中の体験で、私が隠れ変態に変貌するキッカケとなった出来事です。
初任の管理者として初めての単身赴任と言うことで、会社で用意した借上マンションの4階に住むこととなりました。
もともと堅い仕事でもあり、また酒も飲めない私は、平日はマンションと職場を往復し、土日は食材の買い付けと周辺の温泉を巡り、レンタルビデオを借りる…という誠に面白味の無い生活を送っておりました。
若い頃から女性には縁も無く、上司の紹介で見合いした女性(今の妻)と結婚したという地味を絵に描いたような私でしたが、人一倍ある性欲と仕事のストレス発散の手段として、結婚前から密かにアダコミを利用しておりました。
さてここからが本題ですが…
単身赴任も3ヶ月になり、新しい職場にも生活にも慣れてきた頃、ある朝いつものように出勤する時、上の階に住んでいると思われる女性がゴミを出しに行くのとエレベーターで一緒になりました。
軽く朝の挨拶を交わし何も考える事もなく職場に向かったのですが、その日の帰りにマンションのエントランスでエレベーターを待って居ると、キリっとスーツに身を固めた女性が玄関から入って来て、挨拶を交わしてふと見ると、朝エレベーターに同乗した女性でした。
またまたエレベーターに同乗することとなり、何階かと聞くと15階とのこと、因みに私は4階です。
今まで特にご近所付き合いも無く、同じマンションの住人に関心も無かった訳ですが、その女性はエレベーターに乗ると直ぐに
『マックの匂いがしますねー』
と話しかけてきたのです。多分朝も帰りも同じエレベーターになった偶然もあり、話しかけてきたのだと思います。私は
『この時間にこの匂いは反則ですねー』
と笑顔で答えました。彼女は
『誰かマックを持って乗ったんでしょうね』
とこれまた笑顔…
『でしょうね』と私が答え、彼女を見ると朝は何とも思いませんでしたが、歳の頃は40代中白のブラウスにスーツを着、濃紺のパンツスーツ。体型は中肉で、落ち着いたもの腰と、朝チラッと見えたゴミの内容、この時間に帰宅していることから察するに共働きの既婚者と思われる。
顔はいかにも男好きする顔立ち。
子供の有無は分からないが、多分居ない…
などと考えながらエレベーターを降りて部屋へ入る。
単身赴任者らしい品数少なめの食事を摂りながら彼女のことを考え…詮索が劣情に変わるのに時間はかからなかった。