もう十数分で、正午を迎える8月上旬の暑い日だった。
しばらく前まで隣の空き地から聞こえていた子供達の
声も聞こえなくなり、家に帰ったみたいだった。
いまこの時、子供たちが夏休み中の母親たちは、声を
あげて子供を食卓に呼び、楽しい昼食が始まろうとし
ていた。
しかし,〇〇マンションの515号室はそのような雰
囲気とは程遠かった。
部屋は明るく、エアコンはほど良い冷気を出して快適
なコンデションだったが、8畳ほどの広さを占める応接室
の敷物の上では体格の良い男が、美しい顔立ちの女性を
組み敷いて自分の性器を女性のオマン〇に挿入し、緩急
をつけて動いていた。
それと同時に形の良い、やや小ぶりの乳房をもみなが
ら、デープキスを繰り返して唾液の交換も行っていた。
「ああ、もう止めて。これ以上私をいたぶらないで。
今だったら、誰にも言いませんから、もうやめて下
さい。」
途切れ途切れに言う女の声は、しかし誰が聞いても
快感に苛まれているように聞こえた。
「う、いけません。それ以上動かないで。アッ、アッ
いけません、止めて。」
「たか子さん、これからですよ。
でも、今のあなたはなんて色っぽいんだ。素敵だ。
たか子さんは誰より素敵だ。
愛してるよ、たか子。好きだ、好きだ、たか子。」
俺はさらにピッチを上げてたか子さんの身体を
貪った。
しかし、俺はたか子さんと一つになってから、今ま
で経験した数人の女性と違う感覚に包まれていた。
言葉では上手く言い表せないが、あえて言うと
たか子さんの身体と一体になったとき、たか子さんの
身体からとどまることなく、甘美な物質が俺の身体に
注入されてくるようなそんな感覚だった。
「アァ、良い。何なの、気持ち良いよ。私、おかし
くなちゃうよ。こんなの初めてだよ。
もう動かない、デ。ア、良い。」
たか子さんは、俺に動かないでといいながら、その
言葉を裏切るように、自分の腰を俺に激しく打ち付けて
きた。
「こんなの初めて、怖い、ね、イクヨ、イッチャウヨ。」
たか子さんの膣が痙攣をおこしたように震えだした。
膣全体が、俺のチンポを締め上げてきた。
『来る』
俺はたか子さんが俺に送ってきた快感の波を全身に
浴びたように感じた。
例えようのない、全身を震わせる甘美な贈り物。その
贈り物に勝るものはない。
「アー」
たか子さんは長く叫んだ。
俺のチンポから、たか子さんの身体が細かく震えてい
るのが伝わってきた。
「セックス、てこんなに気持ちが良いんだ。知らな
かった。」
独り言のようにポツリとたか子さんが言った。
多分、俺は今旦那さんがこれまでに与えた以上の
快感を与えたのだと思った。
しかし俺は、たか子さんに精を放っていなかった。
俺はたか子さんの甘美な強烈すぎる締め付けを耐
え忍び、快感が通り過ぎるのを待っていたのだ。
20歳のころ、彼女と別れた俺は、勉強とバイトで
気を紛らわせようとしたが、その時知り合ったのが
良枝さんだった。
良枝さんは、最初は母親のように俺に接して、手
練手管を使って俺を篭絡した。
気が付いた時には、俺は良枝さんの友達2人も入
れて4人でセックスを日常的にすることになっていた。
良枝さんには、セックスだけじゃなくて別のこと
も教えられたが、ある時良枝さんは俺に、
「好きな人妻と出来ることになっても、自分の女に
し続けたかったら、危険日かどうか考えるのは当然
だけど、安全日でもすぐにザーメンを出したら駄目
よ。
女が逝く前に自分だけ逝くのは論外だけど、人妻
と一緒に逝くのも駄目だね。」
と言ったことがある。
俺は一緒に逝けば2人の距離が縮まって良いのでは
ないかと言ったことを覚えている。
「普通の夫婦ならね。
でも、人妻ならね、それじゃ弱いんだよ。
人妻だって、旦那に隠れて別の男とセックスする
んだよ。
危険を冒しているんだ。見つかったら離婚に慰謝
料なんだよ。
それでももし不倫したいんならそれに見合うもの
が必要だろ。
旦那よりちょっとセックスが上手いだけでは駄目
なんだよ。
逝ったことのない人妻を逝かせても、まだ弱い。
さらに攻めて、人妻が訳の分からない所に追い込
んで初めてその人妻は、自分の女に出来るの。
勿論、家庭を壊す素振りは少しでもしないこと。
純粋に、女性としてのあなたを愛していると人妻
を安心させることも大事だよね。
そうすれば、その人妻とはきっと長く付き合える
よ。
マサト君が好きになった人が人妻で、長く付き合
いたいと思ったら、最初が肝心だよ。
頑張って、人妻の身体を盗るんだよ。」
と言ってくれた。
俺は最初ゆっくりと動き出した。
「え、何、もうやめて。ね、十分だから。ああ、」
たか子は俺のチンポが固いことに改めて気付いた
ようだった。
『最高の快感をあなたに贈るよ。夢の中で快感の
波に揺られているような、そして、一生忘れ
られない思い出をあなたに贈るよ』
俺は心の中で誓いながら、ちゅう送を行った。
最初のうちは喘いでいたたか子さんの声も
小さくなり、夢の世界を漂っているようだった。