最近仕事が忙しく毎日午前様だったこともあり、職場には体調不良と言って有給を取った。家族にも仕事に行ってくると普通に家を出たのだが、特にすることもなくぶらぶらと街を歩いていた。俺と同じように一人でぶらぶら歩いている女が目の前からやってきた。歳の頃は30代半ばあたりだろうか。少し落ち着いて見えるその女が俺には色っぽく見えた。俺はその女が気になり始め、少し離れて彼女の後を追った。
見れば見るほどどこか惹きつけられるような魅力を醸し出していた女は、あてもなく本当にただぶらぶらしているだけのようであった。俺は勇気を振り絞って彼女に声をかけた。
「こんにちは。誰かと待ち合わせですか?」
俺の顔を見て視線を変えて無視をした。俺は声をかけたことを少し後悔した。
「違います。お金もないし暇なのでぶらぶら散歩がてらに歩いていただけです。」と俺の顔を見ずにぶっきらぼうに応えた。
「もしよかったらそこのカフェでご一緒してくれませんか?お代は俺が持ちますから。」
「ほんとですか?それなら喜んで。」
近くで顔を見るとやはり30代半ばが妥当であろうという肌をしていたが、ナチュラルメイクで自分をうまく表現している彼女に一瞬ドキッとした。薄いピンクのウェット感に富んだ口紅がエロさを引き立てていた。
カフェにつくと飲み物だけでなく食事もしてもいいかと聞いてきたので、お好きなだけどうぞと返事した。朝から何も食べていなかったようで注文された食事がくるとあっという間に食べてしまった。
しばらくして彼女は「実は今朝旦那と喧嘩して外に飛び出したのはよかったんだけど、財布を持ってこなくてお腹空いてたんです。」
彼女の顔は出会った時よりもかなり明るい表情をしていた。名前と歳を聞くと、あやか39歳と言っていた。家は今俺たちがいる市の隣町だった。朝からあてもなく歩いているうちにここの街に来たみたいだった。子どもは3人産んでいるみたいだったが、そんなことを感じさせないほどの体型だった。
俺は邪な気持ちになった。テーブルの上に置かれていたあやかの手を左手で握ると手のひらを上に向けさせて、右手の人差し指で彼女の手のひらをソフトに触って愛撫のようにしていった。彼女は手を引っ込めようとしたが彼女の手を握る手に力を入れてそうさせなかった。彼女の身体が小刻みに左右に動き出した。俺は指先で彼女の手のひらを愛撫していくと、彼女の目がトロンとしてきた。
「このあと予定はありますか?」
「ううん…そんなことよりこの手…いけない手ですね…私の気持ちを晴らしてくれますか?」
俺はそれをOKと感じとり、彼女の手を握ったまま店を出るようにした。駅前の駐車場に停めていた車に彼女を乗せた。
「いいなぁ、うちは軽だからおもちゃみたいだけど、こんなにおっきな車だとドライブ行きたくなりますね。」
この言葉で彼女はエッチよりも心を満たされたいのだと思った。運転しながらも彼女と手を握り合いながら会話した。旦那さんが初めての男だったようで他の男との経験はないようだった。
「他の人ってこんな私であっても優しくしてくれるのですね。結婚早まったなぁ。」
彼女の口から漏れた不満が俺に再びやる気を起こさせた。
「そしたら今日は恋人同士のようにデートしようか?」
「えっ?ほんと。やったぁ」
その笑みが俺を浮気へと借り出した。実のところ俺も嫁さん以外にエッチをしたことがなかった。子どもが出来てからは、すっかり身体の関係も冷めやり、会社のトイレでエロ動画を見てオナニーをしていた。俺はそのことをあやかに伝えると「一緒だね。」と言ってニコッとした。俺の胸の高鳴りが抑えられなくなった。彼女を連れて有名な観光スポットへと向かった。平日だけに外国人観光客が多かったが、俺はあやかと手を繋いで歩いたり、時には後ろから手を回してハグをしたりした。そうこうしていくうちに、俺はあやかのことが好きになり始めていた。俺はあやかと向き合って、両手を彼女の頬にそっと当てて顔を近づけていった。彼女は目を閉じて少し唇を前に出してきた。俺はそっと唇を重ねた。それは恋をしている時のキスに似ていた。俺は両手を彼女の腰に回して抱き寄せるようにしてキスをしていった。彼女もそれに応えるように唇を動かして俺のキスを受け入れてくれた。俺が舌をあやかの口の中に入れると彼女はそれに舌を絡ませて応えてきた。
口を離すと彼女の目は潤んでいた。さっきまでは手を握っていたが、この頃には彼女の腰に手を回していた。日が沈み始めたので「そろそろ帰ろうか?」というと彼女は無言になった。
「これから行きたいところがあるけど、行っても大丈夫?」
あやかは顔を真っ赤にして首を縦に振った。