俺が最初、エロキムこと、木村奈央子と関わりを持ったのは、小学5年の時のクラス替えからであった。同じクラスの木村は、女子の中では「変わり者」に属する部類の存在であり、もしかしたら学校には最低1人くらいは、こういう奴が居るのかもしれないが、いわゆる「下ネタ女子」だった。
顔も可愛らしく、スタイルも良い。(事実、大人になってからも容姿だけはA級品だった。S級とまでは言わない)そんな女子である木村が、男子と同様にエロ話をしている小学校5年、6年の2年間は、一躍、木村は小学校のエロアイドルのような存在であった。
が・・・。
中学校に進学し、小学校のエロアイドル、エロキムは女子の先輩から目を付けられ、また或は男の連中から、「簡単にヤらせてくれる女」という妙な噂を流され、エロキムは先輩からの圧力に屈してしまったのだろう。いや、もともと普通の女子だったんだと思う。エロキムは木村奈央子に戻ったのであった。
そして木村は、中学卒業後、中より上の高校へ進学し、中より上の大学へ進学し、それから公務員試験を受けて合格、そして地元の役所の戸籍担当の勤務となったのである。
なので俺から見ても、エロキムの存在は同窓会とかでエロキムの話が出た時に、「ああー小学校の時に、そういう奴いたなwww 今なにしてんだろなww」くらいのレベルの存在感であり、なんの関心も示さない人物であった。
が・・・。
俺が実際に、1年前、つまりエロキムと知り合った小学校5年から数えて20年後、身内の死亡届を役所の戸籍課に提出し、埋火葬許可証という書類の手続きをしてくれたのが、そのエロキムだったんだ。
俺はペラペラの薄い紙でできた、死亡診断書を見ながら、身内の死亡原因 「老衰」と書いてるのを見て、(ふーん。老衰って楽なのかねぇ)なぞと思いながら役所の戸籍課のソファーで待っていた。
すると、「515番の方ー」と窓口から役所勤務にしては珍しい美人なオネェサンに呼ばれ、カウンターへ行き、「死亡届け出しに来ました」と紙を提出すると、「葬儀屋さん?」と聞かれたのである。
俺は一般なので、「いえ、葬儀屋じゃなく身内ですけど?」というと、「失礼しました」とそのまま受理し手続きをはじめてくれたのだが、(死亡届等は葬儀屋が普通もってくるらしい。うちの葬儀は直葬だったから代行サービスがなかったとの事)そのオネェサンを横眼に眺めていて(どこかで見た事あるなぁ~・・・)とずっと考えていた。
すると、エロキムwwwwwwwwwwwwwwww
と、急になにかひらめいたかのように、俺の記憶がよみがえり、そのオネェサンが埋火葬許可証を持ってきた時に、「もしかして、木村?ww」と呼ぶと、「うん。そっちはシバケンでしょ?」と言ってきたのである。(シバケンとは俺のあだ名であり、柴田健 と書く)
一気に、「なんだよ、気が付いてたんかよwwww」みたいな感じになって急に雰囲気が明るくなった。そしてもともと、田舎の役所という事もあり、都会の役所とは違って閑散としている雰囲気からか、そのまま4,5分、カウンター越しに立ち話をしながら、お互いの近況等を話し合ったのだった。
お互い30を超えて、地元の同級生などと顔を合わさなくなった事もあり、この再会は珍しく、その場の勢いで俺たちは、とりあえずメルアド交換っていう感じで、「せっかくだしオイオイ連絡とっていこうぜw」てな感じでその日は別れたんだ。
そして、その日の晩に俺は木村に、「今日まじ焦ったわw まさか木村だったのはw 公務員やってたって本当だったんだなw」と話しかけ、それから俺と木村は、年甲斐もなくメールの応戦をやりあい、お互いの距離感は急接近していった。
そして木村の高校時代や大学時代等の話も、この時のメールの応戦で聞いた部分もあった。そして、できる事なら一番聞きたくなかった内容である「既婚だよー」という返事。
俺はこの年になるまで独身を貫いていた、いや、結婚できる程、経済力を持ちあわせていなかった事もあり、心のどこかで、木村との再会で交際がスタートし、、あわよくば・・・なんて下心を持ち合わせていた事もあったので、木村からのあっけらかんとした「既婚だよー」の返事には、少々、ショックを覚えたのである
が、この相手が既婚者であった。というところが、この先のエロ展開になる「最大の要因」だったと今ではそう思う。
なぜなら、相手も独身であり、彼氏もいない。とかいう条件なら、きっと俺は木村の前で真面目な男を演じ、そして真面目に交際を申し込み、、、という態度をとったと思うからだ。
なので「既婚だよー」と聞いてからは、俺は木村へのアプローチ的な目的が叶わないものだと悟り、それからはいい意味でも、悪い意味でも、ありのままの接し方をするように態度を変えたんだ。
そして話の話題の中で出てきたキーワードが「そういや昔、エロキムって呼ばれてたよなww」という話題を振りかけたのである。木村の事を口説いて真剣に交際どうこう、と考えているなら、まず出てこないキーワードである(笑)
すると木村は「うんうんw 覚えてるw というか今でもエロキムって言ってくる子いるよーw」と、今でも付き合いがある同級生の事を話してきたのである。
そもそも。
エロキムっていったい何なのか。ここで少し触れておきたいと思う。
俺たちの時代のエロ文化は、インターネットの普及度は今より半分で、印象に残っているのが、付録のDVDだけ取り去られたエロ本が、学校帰りの堤防沿いなどに散乱して捨てられている時代だったんだ。
そんな時代の中、俺たち一部の男子と木村は、同じ学校の帰り道に、堤防沿いの通称:エロ本ルートで、エロ本を読んでみたり、そして家に帰ってからは親のパソコンでエロサイトを見たりする、そんな事が流行っていた。
もしかしたら「隠れてエロ本読んだり、エロサイト見たりする事」くらいは、俺たちの時代の小学校高学年なら、誰でもやってた事だと思う。ただ他と違うのは、それを「隠すか、隠さないか」の差であったと思う。
むろん、木村は女子にしては珍しく、「まったく隠さないタイプ」の女子であったのだ。
例えば木村に「お前、フェラしてみたい?w」と聞けば、「うんww やってみたいと思うww」とか返事したり「身体にチンチンはいんねんで、どうよ?w」と聞けば「それがキモチイんじゃない?w」とか、普通に返事をしてくれてた記憶を持っている。
そのような過去を踏まえて、こうしてあれから20年が経過した今、エロキムはいったい、何がどう変化したのだろうか。
話を戻そう。
そして俺は「あの時、かなりエロ話で盛り上がってたよなww」という問いに「うんうんw あの時はあの時で楽しかったけどねw」と返事が来た。俺はそこで「あの時、こんな話したの覚えてるか? 俺のフェラしたい?という質問に、「やってみたいw」とか答えてた時あっただろw」んで、どうよw いまではその体験ももう済ませたべww」
するとエロキムは、「うーんw 思った通り美味しかった♪ っていうのが実体験を済ませた後の答えにしておこうかなw」と返事がきたのである。
(こいつ、、全然昔とかわってねーよwwwww)と、これはこれで、ある意味俺の中では斬新な展開であったwww
それから俺たちは、年甲斐もなくメールを使ってのエロトークをさく裂させていく展開へと転がっていくのである。
結局、どんなエロ話をしていったのかは後に譲るとして、木村とのメールでの話の節々から整理をするには、木村も今の生活には不満を抱いているというのはよく理解できたのだった。
いうなれば、毎朝同じ時間に置き、同じ電車ののり、同じ道を歩いて、同じ会社へ行き、同じ連中と顔を合わせ、毎日同じ事務処理を行い、似たような弁当を食べ、同じ時間に家路につく。
家に帰ってから旦那の為に料理を作り、かといって旦那はそれをほめてくれる事もなく、セックスは月に2~3回あるかないかのセックスレス状態、これといって刺激がある事も、ここ数年なく・・・。
という、木村の心の本音というのが、俺との日常会話の中で節々に隠れていたんだ。簡単にいえば、「欲求不満状態の人妻」だったんだと思う。
そんな拍子に、懐かしい20年ぶりの同級生と再会し、話題が懐かしいエロ時代の話へとなり、きっと浮気をしようとか、不倫をしようとか、そういう以前の問題で、俺との懐かしトークや、エロトーク等が木村にとっても「率直に楽しかった」んだと思う。
そんな背景原因もあってか、俺と木村との間の話題が「子供の頃に話した懐かしいエロ話」から「実際に体験したリアルで生生しいエロ話」へと進展していくのも時間の問題であった。
もうこの時から、メールという媒体を使って「身体を使った浮気」が始まりかけていたんだ。