その人妻の名前は奈緒(仮名)
私が勤める教育施設の生徒の保護者です。
自民党の「野田聖子」を少し細くした容姿。
自分で言うのも何ですが、男好きのする良い女です。
奈緒と知り合ったのは約3年前。
桜の散った後の入学式。
保護者の案内をしていた私は、白いスーツに身を包み一人たたずむ女性が気になっていた。
「いい女だな!」そう思いながら、時々チラッと見てしまう。
ふとした瞬間、視線が合った。
女性がニコッと微笑む。
「もしかして、俺に?」と思ったが、「まさか?」
そう思っていると、こちらに向かって歩いてきた。
そして「ここで息子と待ち合わせしてるのですが、時間が過ぎても来ないのですが…」そう尋ねてきた。
それが奈緒とのファーストコンタクトだった。
「そうですか。 もう入学式が始まりますので、保護者の方は、会場でお待ちください。 生徒達は担任の先生が会場まで引率しますので。」
戸惑う奈緒を会場まで案内した。
「ありがとうございました。」奈緒にお礼を言われた俺は軽く会釈を返した。
滞りなく入学式が終わり、保護者と生徒が揃って帰りだした。
もう一度奈緒に会いたかった俺は、さりげなく保護者達が集まっていた場所に。
ぽつんと奈緒が一人でたたずんでいた。
今度はこちらから声をかけた。
「お子さんをお待ちですか?」
「はい」
「お子さんは、こちらから出てきますよ」
「そうなんですか?」
もっと会話をしたかったのですが、息子さんが出て来られて、お互い軽く会釈して別れた。
それからは、保護者会、期末の三者懇談などの行事があれば、さりげなく顔を合わすようにした。
会える時もあれば、会えない時もあったが、会えば世間話などするようになった。
月日が流れ、卒業式の日がやってきた。
奈緒と初めて出会ってから3年が経っていた。
今日が最後でもう奈緒に会えないのか? そう思うと何とも言えない脱力感に襲われた。
卒業式が始まる前、奈緒から「3年間息子がお世話になり、ありがとうございました」と言われ、それがお別れの挨拶ように聞こえ、「おめでとうございます」そう言うのがやっとでした。
卒業式が終わり、保護者も生徒もお祭り状態の中、奈緒が俺に駆け寄り、「すみません、これを受け取ってください」と封筒を渡そうとしたので、「このような物受け取れません」と断ると、奈緒は悲しそうな顔をし、「じゃあこれだけでも」とポケットから二つ折りにした紙を俺の手に握らせた。
そして振り返るとそそくさと帰って行った。
紙には、「私のラインIDです。 良かったら…」と書いてあった。
一気に書くのは疲れますね!
続きはまた投稿します。