俺、大学3回生 当時(21))は、千葉県愛宕市(めっちゃ田舎)に住んでいる親戚から、「どうだ?夏休み長いんだろ?うちきてアルバイトしないか?」と、親戚の叔父がやっている車の板金の仕事に誘われたのだった。
夏休み、確かにこれといって何か予定がある訳ではなかった俺は、(家でゴロゴロしてても、あっという間に時間が過ぎていくだけだし、、やってみるか)と、地元である名古屋から、高速バスにのって千葉まで行った。
千葉主要駅はそれなりに栄えていたが、「愛宕駅」という場所までくると、記憶によれば電車は15分に1本くらいのB級駅だったと覚えている。そして親戚の板金屋というのは、駅からさらに茨木方面にひたすら車を走らせると、周辺には似たような鉄工所や、中古車販売店、、あとは畑しかないような、おそるるべきド田舎に存在していたのだった。
コンビニまで徒歩15分。駅にいくのは、徒歩10分かけてバス停に行き、そしてバスに乗ること20分。するとやっと、愛宕駅が見えてくる。そんな周辺環境だ。
ともかく、俺は親戚の板金屋の工場の横にある、1階建て平屋の「寮」というところに案内され、8畳8畳の2部屋。風呂とトイレは一緒になっている空間で生活をしていく事になる。
当時、車を持っていなかった俺は、食料品は高齢者が使っている「デリバリーサービス」を利用して食料を寮まで持ってきてもらい、遊びに行くときは常に「徒歩」でバス停、駅へと歩いていってた。
仕事はいつも単純作業で、車の分解そしてパテ。とにかくパテっていうのが大変で、凹んだボディや傷ついた箇所を修繕する作業なのだが、とにかく腕が疲れて粉まみれになった(仕事の話しは割愛する)
そして、俺の1日というのは、健康には悪いが、俺の生きていく上での習性で、「朝カップ麺」というのは外せない。
塩分どうこうって言われそうだけど、俺はいつも朝にカップ麺、野菜ジュース等を飲んでから1日が始まるのだ。
そのライフスタイルを、千葉でもやろうと思って、朝は大変だったが、徒歩15分かけて近くのコンビニに歩いていくとき、いつもすれ違う女の人がいたのだった。
俺は朝の8時30分頃、必ず寮とコンビニにの間の、1本の道を往復している。すると、同じ時間の8時30分に、(おそらく9時から始まる)保育園に子供を送り届けているのだろう。自転車にのって髪の毛を風でなびかせ、清楚なうす化粧、細くて華奢な感じの上に、フレームなしのレンズだけの眼鏡をつけた、そんな優しそうなママ(35歳くらい)がコンビニにから帰る俺か、それか今からコンビニにへ行こうとしている俺のどちらかの隣を自転車で通り過ぎるのだ。
また、その優しそうなママは、俺の住む寮とのご近所さんでもあり、徒歩1分30秒くらいの地点にある家に住んでいた。自販機に行くにも、寮から3分はかかるので、何度かコーヒーやコーラを買いに行ったときに、あの優しそうなママが玄関から家に入っていく姿を見かけたことがあった。
当時、21の俺にとって、「子供連れ、しかも30代↑」というのは、基本的にストライクゾーンであるのはあり得なかったが、、期間限定の田舎暮らし、そして女っ気のない生活、そして、、その優しそうなママがもつ、ある意味女優のような雰囲気に、俺は例外的にその、優しそうママのことを、、(こんな人とHしてみたいな~~w)等と思っていた。
優しいママに、常に通り過ぎられる事、それが2週間~続いたある日。俺はその土曜日に珍しく俺は、その時、朝になって久しぶりに友達から電話がかかってきて、退屈を持て余していた俺は、「まだ時間大丈夫か?ちょっと飲みながら話そうぜ」と、冷蔵庫からビールを取り出し、電話の友人との会話を酒の肴に飲み始めていた。
ビールの500を2本くらい飲んだところで電話を切り、(あと少し、飲むか。散歩もしたいし)という事で俺は近所の酒屋(歩いて15分)に行くのに、11時くらいだったか。一人で外を歩き始めた。
そして酒屋でビールの350を2本買い、袋を手に持って、ショートカットの為に公園を横断して中に入った時、公園の中にすでにいた、子供と遊ぶ、あの優しいそうなママがいたのだった。
(お・・)と俺も思ったが、相手も同じことを思ったようで、思わず目が合った時に、(どうも^^;)みたいな感じで会釈をした。すると優しいママは子供に「挨拶は?いつも朝通り過ぎるお兄ちゃんよ^^」と子供に話していた。
(あ、、俺の存在、、覚えてくれてる・・w)と、なんだかうれしくなった。
子供は「こんにちはー」 俺「こんにちは^-^」 という感じで子供とも挨拶をかわし、それから立ち話というような感じで、「いつも朝とおりすぎますね^^;w」と俺は照れ臭そうに相手に話しかけた。すると相手は、やはり予想通り「保育園があって^^」という事を説明してくれた。
優しいママからすれば、21の俺なんて子供に見えるのかもしれない。「いつも作業着ですが、この近くでお仕事をされているのですか?」等と俺の身の上を聞いてきたりして、俺は「名古屋の大学生なんですけど、親戚の手伝いで千葉まで来ているんです。」と説明した。
そして会話は思ったよりも盛り上がって、「いつもスーパーの出前で食料かってるんです><」などという俺の愚痴なんかも聞いてくれたりして、雰囲気はけっこう楽しい感じになっていた。
すると優しいママは、「えー、それじゃ栄養のバランス崩れちゃうよー。ちゃんと自炊しなきゃw」というので、「自分でつくるのなんだか面倒で><」という感じになっていった。
こんな会話をずっと続けていくうちに、「料理のレシピとか教えてくれませんか?調味料とかは家にあるんですけど、、使いかたわからなくて><」と俺はこともあろうに相手の連絡先を遠回しに聞いていたのだった。
あまりに自然な流れだったので、ナンパしているとか、連絡先を聞き出そうと策を持っているという意識はなかった。
そしてラインの連絡先を交換し、「じゃ、何か簡単な和食とかパスタソースの作りかたとか、送ってあげるね^^」という事でその場は別れたのだった。
が、しかし相手も、いろんな意味で欲求不満なところがあったんだと思う。
この後知るところになる優しいママの身の上は、旦那さんが貿易関係の仕事をしており、いつも海外出張が多い。という事。家にかえっても自分と子供の事だけをして毎日が終わっていく事。そんな、「遠回しの不満」を俺は聞くことになっていった。
それから俺たちの間柄は、お互いがお互い、この何の刺激もない居住区に住んでいる者同士、少しのトキメキ感を体験するために、「おはよう」「ちゃんとご飯食べた?」等という、メッセージアプリだけの「疑似恋愛」に近いような状態になっていった。
毎朝、毎晩のようにラインでメッセージで連絡を取り合い、さすがに21という精神的に幼い俺でも、(これは、、ちょっとやってはいけない関係になってきているな・・・)と、薄々思う事もあった。
翌週の土曜は、俺たちは公園で待ち合わせて、ベンチに座って話し合ったり、、子供と遊んだり、、ここでも疑似的な(少しの)恋愛要素がはいった、そんな時間を過ごすような関係になっていった。
そして流れで・・・「お昼一緒に食べない?」と相手から誘ってくれるのは自然の成り行きだった。
つづく。