2月上旬、僕の祖父が亡くなりました。90歳という大往生であり、また本人が生前から自分の葬式の手配などをあらかじめしていたということもあり、まさに「模範的な故人」というような、そんな豪快な逝きっぷりの最後でした。
そんな祖父の葬式だったことから、葬式自体は厳粛とうよりかはざっくばらん。まるでお祝い事かのように明るくては楽しいといっては変ですが、そんな葬式だったのです。
童貞で大学二回生のさえないブサメンの僕も、その葬式に参加するために母の実家である高知県の須崎までオヤジの車をとばして名古屋から向かっていきました。
なつかしい祖父の家は純和風建築であり、宿泊組の僕たち一家は、父母は二回の大広間で、僕はテレビのあるハナレの別室に荷物を置き、それから通夜、葬式の二泊三日、祖父の家に泊まることになったのです。
この話は名古屋から高知県に到着した当日の土曜日の通夜の夜のことです。
通夜の夜というのは寿司がでて、酒がでての宴会になるのはどこも同じなのですが、最初は葬儀会場でもあり、遺体を安直している家のほう(ハナレではないほう)で飲み食いしていた親戚連中やおばあちゃん、そして僕の父母なのですが、夜の23時をすぎる頃になると、ほとんどの地元の親戚は帰って行きました。
そして残されたのがおばあちゃん、僕の父母、そして親戚の遠方からきているカオリさん夫婦(カオリサン33歳)だけになったのです。
おばあちゃんは寝ないでおじいちゃんに付き添いロウソクの火を絶やさないというし、(火を絶やすとよくないらしいです)父母は疲れて二回で休みにあがったのです。
とりわけ若い方のグループの僕とカオリさん夫妻の三人だけが、余った酒や天ぷらなどを僕の寝るハナレに持ち込んで、まだまだ飲もう。明日は10時からだからまだいけるっしょ!という感じで後少し、飲むことにしたのです。
カオリさんの旦那さんは普通に男前のやさしそうなニイサンでした。この文章の主役になるカオリさんはどういう人かというと、黒髪ストレートヘアの活発で明るいスタイルのいいオネーサンというとこです。
活発そうな明るく凛とした感じの方ですが、そのときは黒の喪服で身を包まれており、オトナの女という雰囲気をかもしだしてました。
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