僕が大学生の頃ですから平成7年の頃、僕は世田谷のアパートに住んでいました。
今の大学生と違い、当時の大学生、特に文系大学生は2年・3年になると語学とかの必修やサークル以外で学校に行く用事もなく暇がありました。
暇を持て余していると大学の友達から「今人手が足りないから手伝ってくれる?お店には俺が話しておくから」とバイト先を紹介され、近所の個人スーパーでアルバイトをすることになりました。
スーパーで働いている人はオーナーと他はパートの奥さんが4人くらい、その他大学生や高校生が数人というこじんまりとしたスーパーでした。
とにかく文系の学生は暇があるので、朝一からシフトを入れたりしながらバイトをしていると、たまにパートやアルバイトが集まって飲み会があり、その時は古参のパートさんがお店から一万円ぐらい出してもらったりとほのぼのとした飲み会でした。
一次会は居酒屋で飲んで、はじめはパートの奥さんたちが「大学の方はどうなの」とか「彼女はいるの」とか若い男としかもお店と家族公認で飲める楽しさから、はしゃぎながらワイワイと楽しく飲んでいました。
居酒屋もお開きになり、「二次会行くぞ!」とパートさん達に両腕を抱えられてカラオケに行きました。カラオケでも飲めや歌えの大騒ぎでした。そんな中、年は40くらいのスレンダーで、小顔で目が大きい奥さん、Kとしておきます、がお酒に飲まれてダウンしてました。Kがふらふらしながらトイレに向かいました。他の奥さんたちはマイクは話したくなく、でもKが心配なので、「君、様子を見てきなさい」と命令され、僕も気がかりだったので廊下で待っていると、Kはトイレからふらふらと出てきて、待合用のベンチに腰掛けました。僕はKのとなりに座り、「大丈夫ですか?」と声をかけると、Kは僕の手を握りしめて、顔を僕の肩に押し付けて唸っています。僕はKの手を握りながら反対の手でKの背中をさすりながらKに話掛けていました。