え?
カズさん、どういう意味?
いや、その、君みたいな美人、ダンナかそうでないなら彼氏が、いない方が不自然だろ?どうなの?
ど、どうでもいいじゃないの、そんなこと。
?
何を言い出すんだ?
今日アナタとお話が出来て楽しかったから、それでいいじゃないの。やっぱり、人生楽しまなきゃ嘘だよ。
私は、明らかに彼女を好きになり始めていた。このような大事なことをはぐらかされて黙っているわけにはいかない。
なに、それ?正直に答えてくれよ!いい加減過ぎるよ!大事なことだろ?!
もう、止めてよ!せっかくアナタと楽しい時間を過ごせたのに!ほっといてよ!
彼女は足早に自分の乗る電車のプラットホームに向かって行った。一度もこちらを振り向くことはなかった。
楽天家を自負する私だが、流石に意気消沈した。しかし、夜の12時頃、メールが来た。
駅では、大声出してごめんなさい。本当、大人げなかったです。また、ジムの帰り、アナタとお話したいです。
お休みなさい!
次のジムの帰りの際、ようやく彼女は、口を開いた。
法律的には、まだ人妻よ。
??
彼女の話を要約すると、
彼女は以前は東京に住んでいたが、ダンナから、いわゆるドメスティックバイオレンスを受けていて、逃げるように東京から2時間程のこの町に引っ越してきたと言う。ダンナには当然、所在地は知られていない。弁護士を通じて離婚調停中とのことで、法律上離婚に至るのはもう少し先になりそうだ。
彼女は、自分のマンションに私を招くと、見せたいものがあると言って、下着姿になった。彼女の肌には夫からの暴力の後が生々しく残っていた。
これは、酷いな。まさか、これ程までとは。
気分転換の為にジム通いを始めて、そこでアナタの姿を見たの。何だか、アナタなら私を未知の世界に連れて行ってくれるんじゃないかって。そんな気がしたの。
私は、いよいよ我慢の限界を越えた。あくまでも人妻というのは法律上の話だ。彼女は、気持ちの上では独身だ。
私は、彼女を温泉に誘った。温泉の湯が、彼女の体のキズを癒してくれそうな気がしたからだ。勿論、目的はそれだけではない。行き先の温泉は、混浴風呂が多いことで知られていた。彼女は、それを承知で私の誘いに乗った。
カズさん、さすが、ここの温泉、気持ちいいね!
そうだね。
しかも、一時間、私たち二人だけの貸し切りなんて、高かったでしょ!フフ。
私は、もう我慢出来なくなっていた。
かおりさん、抱き締めていいですか?
彼女の唇は、餅のように柔らかかった。暫くすると、いよいよお互いの息遣いが荒くなってきた。
カズさん!
あ、
あん!
くっ、
あっ、
あん!
かおりさん!