四捨五入して二十歳になる年齢になって少し経ってもまだ彼女が出来る気配もなく、爆発しそうな性欲に振り回され、ついに出合い系サイトに手を出した。
出会い系サイトと言っても大手のそれとは違い、裏地域掲示板といった佇まいの登録無しで誰でも書き込むことが可能な、しかし見ている人の絶対数がとても少なそうな黒い背景の怪しいサイトだった。
この掲示板の存在を知ったのは部活の先輩経由の情報で、出会い希望の旨を書いておけば小遣い稼ぎ希望の女がメールを寄越してくるということだった。
ただし連絡してくるのはババアばかりであり、先輩の○○さんは実際に女と会う段階までは行ったものの相手があまりにもババア過ぎて全力ダッシュで逃げ帰ってきたという笑い話もセットだった。
ババアでも何でも良い、とにかく女の穴に入れてみたいと思っていた自分は「出会い希望です。○○周辺、車なしです。」と書き込みメールを待つことにした。
メールが来たのは翌日の昼過ぎだった。
『はじめまして。40代ですが割り切り位置で可能でしょうか?私の自宅で大丈夫なら車なしでも会えると思います』
本当に来た!事前に予習しておいたので位置というのが一万円の事だというのはすぐにわかった。偽物じゃないのか?罠じゃないのか?という不安と興奮を抑えながら震える指で返信を打つ。
自分の年齢は20という事にした。
『お母さんみたいな年齢だけど大丈夫ですか?』と聞かれ、「熟女大好きです」と返した。
やり取りはスムーズに進み、その週の土曜日の午前中、○○のコンビニ店内で待ち合わせという事になった。
待ち合わせ当日、約束のコンビニの雑誌コーナーで漫画雑誌を読みながら待っていると携帯にメール。
『もう着きます。もう店内ですか?』
「雑誌を読んでいます」と返信して数十秒後、目の前のガラスを身長の低い女が横切り店内に入りこちらへまっすぐと向かってきた。
女は僕の顔を見上げながら小さな声で「そう?」と問いかけてきたので「はい」と答えた。
本当に女が来た。
男や怖い人が来たら店からダッシュで逃げ出すつもりだったがその心配は杞憂に終わった。
だが彼女はまぎれもなくババアだった。