プロローグ
私は見た目はモテると言うより嫌悪されるタイプだ。分厚い遠近両用のメガネをかけ、脂症で小太りで色黒だし、頭は早くもシルバーグレー。はっきり言えば典型のさえない中年オヤジそのものだ。
そんな容姿だから私は若い頃から恋愛というものにあまり興味はない。欲しいのは女の身体、要はセックスしたい、この一点に尽きる。自分が飽きるまでその女と肉体関係を持ち続けたいと思っている。それなりに経験をつんだおかげなのか、相手を悦ばせる技を身につけていた自信はあったし、実際、女を何度も絶頂に導くことが出来た。私に脅される格好で関係を持つようになった女でも、色々と技を使って悦ばせ、いつしか女の方がよがり狂うほどに楽しませてやることが出来た。
そんな中、冴子に出会った。私の部署に配属されてきたキャリアミセスだ。彼女と初めて出会った瞬間、私は言葉を失った。「こりゃあ上物じゃないか!」漆黒の長髪を後ろに綺麗に一纏めにした冴子は、メガネをかけ、その奥にある気高く涼しげな瞳が印象的で、凛とした美しさを持った女性だった。その瞳に思わず吸いこまれそうになる。次に目が移ったのは胸。落ち着いた装いの黒いスーツに身を包んでいたが、豊かな乳房はスーツをはちきれんばかりに膨らましていて、胸元のボタンはパンと音を立てて弾けてしまいそうだった。そのまま視線を落としていくと目につくのは、純白のストッキングに包まれた美しくすらりと伸びた長い脚。「こりゃすごい」が第一印象だ。
ここから私は必死になった。目の前に突然現れた最上級の女だから。これは何としても自分のものにしなければいけない。そう思った。