あるサイトで、同じ市内同士と言う事でメールが始まった。おはよう。から始まり、あんな事、こんな事が有った、最後は、おやすみなさい。で終わる一日、5回から10回ぐらいの平凡なメールが三ヶ月ぐらい続いた。
その間、互いに一切のエロ話も写メの要求も無く、完全に友達の関係。
そんなある日に彼女のメールで、
昨夜、旦那と喧嘩しちゃった。
と言って来た。
私が冷やかし半分でメールを送ると、彼女は怒ったように言い返して来る。
それからメールで彼女の言い分を聞きながら旦那と同じ、亭主としての立場で返事を返した。
最後の方で、今夜会ってみない?
とのメール。
彼女の方から会おうと言い出したのだから、私としては断る筈もなく、直ぐOKだよ。
と返事を返す。
旦那は今日と明日、旅行で留守との事、早速、私の仕事終わりの時間に合わせ待ち合わせ場所を決めた。
ショッピングセンターの敷地に有るファミレスに着く。
着いたよ。
とメールを送ると
私も着いてる。
との返事、入り口に向かい歩き出すと、少し離れた所から女性が歩いて来る。
彼女かな?と思い立ち止まり近づくのを待った。
お互い顔を見合わせ最初は驚き、直ぐ大笑い。
それもそのはず、何と私達は同じ市内どころか、同じ町内だった。
取り合えず店に入り簡単な食事を注文して、改めて顔を見合わせ笑った。
良かったね、変な話しなくて。
彼女の口から飛び出す、私も、本当、本当と相槌を打つ。
食事をしながら彼女の口から次第に愚痴が洩れ始める、彼女の話を聞きながら、私も良く知る旦那の性格と照らし合わせながら聞いている。
一時間以上も話しただろうか、
そろそろ出ようか?
私の声に少し不満気な表情を見せたが、うんと頷く。
清算を済ませ店外に出て
未だ時間有るかな?有ったら少しドライブでもしながら話そうか?
と彼女に言うと彼女は
うん、今日は遅く成っても平気、でも貴方は大丈夫なの?
と聞き返して来る。
私は冗談で、多分!と応え彼女を助手席に座らせた。
宛ても無く車を走らせる間、彼女は一人で喋っている。
近所同士と言う罪悪感は有ったが私は走り続けた後に、数件建ち並ぶホテルの前を通った。
今まで喋りの途絶え無かった彼女が一瞬無口に成る。
未だ時間は大丈夫かな?
私の言葉に彼女は、うん。と頷く。