懺悔

できるだけはっきり女の顔が写っている画像を選んで
写真用紙にプリントする。
自分でスカートを捲くり上げて、ショーツを下ろした下半身を晒す女。
いきり立った一物の竿を舐め上げる女。
口に出した精液をティッシュに吐き出している女。
両足を開き指で割れ目を開いて見せる女。
わざと背座位で入れて足を開かせた女。
騎乗位で腰を振る女。
股間のバイブを握りしめてのけぞって喘ぐ女。

女には、最後まで何も明かさない。
リモコンシャッターつきの偽装カメラのことも。
呼び出すたびに、住所や旦那のことを少しずつ調べていることも。

もともと変態願望があって、人に気づかれないように隠し通して生きてきて
それが、数年前に知人に嫁を弄ばれたのをきっかけに
もう理性じゃどうにも抑えられない黒い塊になって
遊びじゃない切実な欲望になって
人妻を漁るようになった。

めいっぱい優しくするし手間もかけてものする。
できるだけ数日で目的を達して、優しい男を演じきって別れる。
女の住所は、戸建てでもマンションでも構わない。
女は夫を裏切った。
快楽に負けて裏切った女を晒し者にしてやる。
マンションなら、さらに隣のマンションの空き部屋でなさそうな全室のポス
トに、顔写真つきの女の痴態を、ピザ屋のメニューのように配る。
女の部屋だけはそっとしておく。
翌日か、数日後か。あとは女の運のなさが決めることになると思う。

最初にそれを知るのは、女だろうか、夫だろうか。
増え続ける隣人の好奇の目に耐える屈辱的な時間。
どれくらい多くの隣人がその写真を持っているかさえ知る術はないように思
う。
夫は、恥さらしなあの女を捨てるだろうか。

それがどれほど鬼畜な行為かはわかっているし、罪悪感もハンパじゃない。
一人の女を弄んだあと、数ヶ月間は怖くて何もできなくなる。
それでも理性ではとめられない。
騙して晒して辱めると、苦しみから逃れられる。
もろくて儚いプライドの亡霊を鎮めることができる。
それはつまり、甘い言葉に騙されて肉欲に溺れるすべての女たちへの罰なの
だ。