「はぁい、ありがとうございます」
浴室のドア越しに聴こえる岳英さんの声…いけないことをしている感じがして、よりドキドキ感が増します。
岳英さんが脱衣所から出ていってからしばらくして、もも香もお風呂を上がりました。
(ブラを洗濯機にかけるのは…うーん、どうしようかな)
型崩れや縮みの原因になってしまうので、普段はブラは乾燥機にはかけないでいます。かけるとしても、勝手に洗濯ネットを借りるのも…など頭を巡らし、結局地肌にTシャツ2枚、比較的濡れていないショーツとスウェットを身に着けることにしました。
好きな人と家に2人きり…いけないことをしているというドキドキ感を、もう少し味わいたいというのもあったのかもしれません。
「おじさん、お風呂ありがとうございました」
ドライヤーを借りて髪を乾かしてからリビングに戻ります。流石にちょっと恥ずかしくて、少し猫背気味になったり手や腕が無意識に胸元にいってしまうのでブラを身に着けていないのはバレてしまうかもしれないです。
春奈に連絡しようか…とも思いましたが、インスタを見る限り、今日は所属しているテニサーの活動の後飲み会だと投稿していて、帰りが遅くなることがわかってやめました。
がっかりしなきゃいけないはずなのに、ホッとしてしまいました。
「おじさん、おばさんも今日はいないんですか?」
キッチンに立って作業をしている岳英さんのところに歩いていき、見上げて質問します。小柄なもも香には大きいサイズのTシャツに、ずり落ちないように腰紐をきつく縛って何とか履いているスウェットは裾も長いので何度も折り返されています。
明らかにサイズの合っていなくて、男性の…岳英さんの服を着ていると思わせるには十分です。
伸びた髪も下ろして前より大人っぽく女性らしく、メイクは落ちてしまいましたが整えた眉や肌、はっきりとした目鼻立ちはそれでもそれなり…だと思います。
【おはようございます。昨日はありがとうございました。誰も帰ってこないとわかったところで誘いますね。今はまだ今の状況にドキドキして先のことはあまり考えられていないみたいです…。もどかしく感じさせていたらごめんなさい。】
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