「宗くん」の動画に映る情事はモザイクがかかっていたり、男女ともに容姿がわかるようには作られていない。だから「宗くん」の見た目はわからない。
けど、自分より太いであろう指や大きな手を頭の中に思い浮かべながら、左手は直接、右手はパジャマの上から胸やあそこに触れる。
彼氏以外の男性に触れられることを想像して体を慰めることに罪悪感を覚えないわけではないけれど、「宗くん」の「誰にも迷惑をかけていない」という言葉を都合の良いように解釈して、「あくまでネット上で文字でのやりとり。会うわけでもないから。リアルとは別だから」と自分に言い訳をする。
そしてまた通知音。
もどかしい気持ちのまま、手を止めてスマホに触れる。そこには通話の提案が書かれていて、どきりとしてしまった。
リアルじゃないからと言い訳していたけど、通話は?
してもいいもの?どうしよう、と頭の中を一瞬巡る。そこに「宗くん」への警戒心は既になくて「彼氏がいるのに許されるのか」に焦点が合っている。
これまでの凛花ならにべも無く断っていたはず。でも、もっと色んな性の経験をしたい、欲求に素直に従っていたい、そして「宗くん」ともっと…と強く思う今の凛花を止められるほど、彼氏への操のようなものの存在は大きくない。
結局、返信は返さず体に触れて時を待つ。気持ちよさもあるが、やや緊張も感じている。
そして通知音…メッセージのものと異なり、鳴り続けるそれに、3回目のコール音の後に通話ボタンを押した。
言われた通りスマホは顔の横に置く。宗くんの声がよく聞こえるように。
「…………宗…くん……」
通話が繋がって数秒、お互いを間を思って無言の後…意外にも凛花の小さな声が先に通話に乗った。
明確に名を呼びかけているというよりは、吐息交じりの…自慰の合間に漏れた言葉のようだったけれど。
【進めてくださってありがとうございます。とても楽しいです】
※元投稿はこちら >>