早かったね、と言われれば、「宗くん」との入浴後の連絡の約束を楽しみにして手早く済ませてきたことがバレてしまった気がして恥ずかしくなる。
いつもなら「そんなことない」と隠してしまうのだけれど。数日の間に生活リズムを把握されていること、その不気味さに浮かれた凛花は気付かない。
『宗くんと話すのが楽しみで急いじゃいました』
だが「宗くん」からの返信、その後半の内容に戸惑う。
学校という公共の場のトイレで隠れて自慰をした、いやらしい本当の凛花と話をしたいという。
振り返るとすごく恥ずかしく危ないことをしたと思うのに、でもそれを「宗くん」は認めて、その凛花と進んで話をしたい、そのために時間をとってもくれると。
本当の凛花を求められていると感じて、体が熱くなる。
『はい…大丈夫です…。悪いことをする私でいいんですか…?』
返信して、ベッドに寝転んだまま息を吐く。
皆にひた隠しにきた本性に触れられることは怖いが、「宗くん」ならきっと大丈夫。でも、不安。でも嬉しい。
ひと言では表現できない感情で、なんだか初体験の前を思い出した。好きな人に初めて体を曝した、あの瞬間を。
【おはようございます。こちらこそ同じように思っています。何かありましたら教えてくださいね。
早速ひとつ我儘を言ってもいいでしょうか?
「宗くん」に対して電話をきっかけに敬語をやめたいなと思っていて。存在は遠いけどより身近に感じて、彼氏のポジションを塗り替えられていくイメージです。
凛花からは言えないと思うので、もし宗次郎さんのイメージと違わなければ導いてもらえると嬉しいです。】
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