ヴヴッ
程なくしてスマホが震える。
時間的にも相手が誰なのかはわかる。
そして再びスマホが震えたということは、こちらの提案を受け入れたという事。
内容を見る前に男は少なからず勝利を確信していた。
(やっぱりか…。
それはそうだ…、年齢問わず内に秘めている願望や欲望、それが性的な欲求であればなおのこと、外への露出は避けたい。
ましてや家族、友人…この子の場合は彼氏もいる。
そんなところに知られるのは何としても避けたいだろう。)
男は薄く笑みを浮かべた。
偽りはない、騙すつもりもない。
しかし、「投稿している動画は、女の子たちを安心させる…信頼に値する男だと思わせる為に撮っている…公開している。」という表現に、違和感を感じないのだろうか。
モザイクが入っているとはいえ、音声が加工されているとはいえ。
自分が次の女を釣る為の餌だと言われているようなモノなのに…。
未知の快感を求める傾向が強いのはやはり若い子が多い。
それもそれなりに恋愛という物を経験した上で物足りなさを感じる十代。
SNS、インターネットのさらなる普及で容易にそれらしい動画や投稿を見知ることができるようになった時代、それらを求めるようになるのも無理はないが…。
危ない世の中になったものだ…。
「俺みたいなやつが楽しめる…、危なく…良い時代にね…。」
ベッドに腰を下ろし、髪を拭いながら返事の文章を作る。
本格的なやり取りは、RINKAを名乗る少女が改めて裏垢でメッセージを送ってきてからだろう。
それまでは、配慮をベースに置いた慎重なやり取り…が重要になる。
『もちろんさ…。
RINKAちゃんもこれまでの投稿を見てくれているんだろう…?
その全てに音声加工、モザイク加工は施されていたはずだ。
他の投稿でありがちな「本編は無修正」なんて表記もなかったはず。
特定の課金者優遇の動画サイト、みたいなのもあるけど…、そう言ったところは無縁だから安心して…。
誘導のURLなんかも一切作っていない。
他の投稿者と見比べてくれればわかるんじゃないかな…?』
内容の割にフォロワー数が少ないのにも理由があった。
その他のユーザーが課金要素を設けているのに対して、男のアカウントにはそう言った表記も一切ない。
(俺が楽しみたいのに…、それ以外の誰かもわからないやつを楽しませるわけ…ないからね…。
この一緒にダンスを踊っている子も可愛いな…。
今日はほんと…運がいい…。)
『なんにしても、次からはちゃんと別垢で送っておいで…。
このアカウントはここで終了。
別に本垢の方では俺のことはブロックしてくれてもいい。
別垢では君はRINKAちゃんではなく、R。待ってるね。』
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